薬効分類名不整脈治療剤
一般的名称シベンゾリンコハク酸塩
シベンゾリンコハク酸塩錠50mg「サワイ」、シベンゾリンコハク酸塩錠100mg「サワイ」
しべんぞりんこはくさんえんじょう、しべんぞりんこはくさんえんじょう
CIBENZOLINE SUCCINATE Tablets [SAWAI], CIBENZOLINE SUCCINATE Tablets [SAWAI]
製造販売元/沢井製薬株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
β-受容体遮断剤
プロプラノロール
本剤の作用が増強される可能性がある。
機序は明らかではないが、動物実験において本剤とこれらの薬剤との併用による作用増強の可能性が報告されている。
糖尿病用薬
インスリン製剤
スルホニルウレア系薬剤
ビグアナイド系薬剤
チアゾリジン系薬剤
速効型インスリン分泌促進剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
GLP-1受容体作動薬
DPP-4阻害剤
SGLT2阻害剤
等
低血糖があらわれるおそれがある。
動物実験において、本剤高用量投与時にインスリン分泌亢進が認められるとの報告があり、これらの薬剤との併用により血糖降下作用が増強される可能性がある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
2.1 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者
[心停止を起こすおそれがある。][9.1.2 参照] -
2.2 うっ血性心不全のある患者
[心機能抑制作用及び催不整脈作用により、心不全を悪化させるおそれがある。また、循環不全により肝・腎障害があらわれるおそれがある。] - 2.3 透析中の患者[9.2.1 参照]
-
2.4 閉塞隅角緑内障の患者
[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。] -
2.5 尿貯留傾向のある患者
[抗コリン作用により、尿閉を悪化させるおそれがある。] - 2.6 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.7 バルデナフィル塩酸塩水和物、モキシフロキサシン塩酸塩、ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)、トレミフェンクエン酸塩、フィンゴリモド塩酸塩、シポニモド フマル酸又はエリグルスタット酒石酸塩を投与中の患者[10.1 参照]
4. 効能又は効果
下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合
頻脈性不整脈
6. 用法及び用量
通常、成人にはシベンゾリンコハク酸塩として、1日300mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は450mgまで増量し、1日3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
7. 用法及び用量に関連する注意
本剤は下記のとおり腎機能障害患者では血中濃度が持続するので、血清クレアチニン値(Scr)を指標とした障害の程度に応じ投与量を減じるなど用法・用量の調整をすること。[9.2.2 参照],[9.8 参照],[16.6.1 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤の投与に際しては、心不全、心原性ショック等を起こすことがあるため、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。[9.1.1 参照],[9.1.7 参照],[9.2.2 参照],[9.8 参照],[11.1.1 参照],[11.1.3 参照]
- 8.2 本剤の投与中は、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、血糖検査等)を定期的に行い、必要に応じて適宜本剤の血中濃度を測定すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。特に高齢者及び腎機能障害患者では、血中濃度上昇により低血糖が、また、基礎心疾患のある患者では、心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって肝・腎障害があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止すること。[8.6 参照],[9.2.2 参照],[9.8 参照],[11.1.4 参照],[11.1.5 参照],[16.6.1 参照],[16.6.2 参照]
- 8.3 本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる場合があるので、恒久的ペースメーカー使用中、あるいは一時的ペーシング中の患者に対しては十分注意して投与すること。また、ペースメーカー使用中の患者に投与する場合は適当な間隔でペーシング閾値を測定すること。異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止すること。
- 8.4 本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、霧視、視調節障害等の症状があらわれることがあるので、このような場合には減量するか投与を中止すること。
- 8.5 1日用量450mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
- 8.6 めまい、ふらつき、低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。[8.2 参照],[9.1.4 参照],[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
心不全を来すおそれのある患者では、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。心停止に至ることがある。また、開始後1~2週間は入院させること。心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。[8.1 参照]
- 9.1.2 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者(高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者は除く)
- 9.1.3 著明な洞性徐脈のある患者
- 9.1.4 治療中の糖尿病患者
-
9.1.5 血清カリウム低下のある患者
心電図変化に注意すること。催不整脈作用が誘発されやすい。
-
9.1.6 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
-
9.1.7 他の抗不整脈薬を併用している患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。心停止に至ることがある。併用時の有効性、安全性は確立していない。[8.1 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 透析中の患者
投与しないこと。急激な血中濃度上昇により意識障害を伴う低血糖などの重篤な副作用を起こしやすい。本剤は透析ではほとんど除去されない。[2.3 参照]
-
9.2.2 腎機能障害患者(透析中の患者を除く)
少量から開始するなど投与量に十分に注意し、頻回に心電図検査を実施し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすい。[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁中移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
入院させて開始することが望ましい。少量(例えば1日150mg)から開始するなど投与量に十分に注意し、頻回に心電図検査を実施し、腎機能障害のある患者に準じて慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[16.6.2 参照]
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
バルデナフィル塩酸塩水和物 (レビトラ) モキシフロキサシン塩酸塩 (サデルガ) |
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。 |
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により相加的に作用が増強するおそれがある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
β-受容体遮断剤 |
本剤の作用が増強される可能性がある。 |
機序は明らかではないが、動物実験において本剤とこれらの薬剤との併用による作用増強の可能性が報告されている。 |
糖尿病用薬 DPP-4阻害剤 SGLT2阻害剤 等 |
低血糖があらわれるおそれがある。 |
動物実験において、本剤高用量投与時にインスリン分泌亢進が認められるとの報告があり、これらの薬剤との併用により血糖降下作用が増強される可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 催不整脈作用
心室細動、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(いずれも頻度不明)、上室性不整脈(1%未満)があらわれ、心停止に至る場合もある。心電図に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、抗不整脈薬を投与するなど適切な処置を行うこと。[8.1 参照]
-
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、発疹、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.3 心不全、心原性ショック(いずれも頻度不明)
心機能検査で異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。[8.1 参照]
-
11.1.4 低血糖(1%未満)
低血糖が疑われる症状(脱力・倦怠感、発汗、冷感、意識障害、錯乱等)がみられた場合には、投与を中止し、必要に応じブドウ糖を投与すること。[8.2 参照],[8.6 参照],[10.2 参照]
-
11.1.5 循環不全による肝障害(頻度不明)
本剤の心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって重篤な肝障害(トランスアミナーゼ、LDHの急激な上昇を特徴とするショック肝)があらわれることがある。このような場合には、投与を中止し、早急にドパミンの投与等心機能改善のための処置を行うとともに、必要に応じ肝庇護療法など適切な処置を行うこと。なお、このような症例では、腎障害を伴うことがある。[8.2 参照]
-
11.1.6 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
- 11.1.7 顆粒球減少、白血球減少(各1%未満)、貧血、血小板減少(いずれも頻度不明)
-
11.1.8 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
1~2%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
循環器 |
PQ延長、QRS幅延長、QTc延長、房室ブロック、動悸 |
脚ブロック、洞結節機能低下、徐脈、血圧低下 |
|
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇, Al-P上昇 |
||
泌尿器 |
尿閉、排尿困難等の排尿障害 |
||
腎臓 |
BUN上昇、クレアチニン上昇 |
||
眼 |
光視症、霧視等の視調節障害 |
||
過敏症 |
発疹、紅斑、そう痒感 |
||
精神 神経系 |
ふらつき |
頭痛、頭重、めまい、眠気、振戦、立ちくらみ、幻覚 |
|
消化器 |
口渇、悪心 |
食欲不振、便秘、嘔吐、口内炎 |
腹痛、腹部不快感 |
その他 |
脱力感、倦怠感、冷汗、胸部圧迫感、息切れ、関節痛、鼻乾燥、インポテンス |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の投与により、ブロモフェノールブルー系試験紙法での尿蛋白検査では偽陽性を呈することがあるので、スルホサリチル酸法を用いること。
13. 過量投与
-
13.1 症状
主として心電図の変化、特にQRS幅の著しい延長と心原性ショック等の心抑制症状の併発がみられる。また、腎不全があり、本剤の血中濃度が非常に高い場合は低血糖を起こしやすく、また、まれに筋無力症(呼吸筋を含む)を起こすおそれがある。
-
13.2 処置
心電図、呼吸、血圧の監視及び一般的維持療法を行う。
本剤は透析ではほとんど除去されないので、中毒時の治療法としては透析は有効ではない。
・催吐、胃洗浄
・過量投与の治療法としては、乳酸ナトリウムを必要に応じカリウムとともに持続注入する。
・心抑制症状に対しては必要に応じてドパミン、ドブタミン、イソプレナリン等の投与を行う。
・ブロックがあればペースメーカーを装着する。また、薬剤で効果がみられない心電図異常に対してはペースメーカーを装着するか電気ショックを行うなど必要に応じた処置を行う。
・低血糖がみられている場合は、ブドウ糖の投与を行う。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
2.1 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者
[心停止を起こすおそれがある。][9.1.2 参照] -
2.2 うっ血性心不全のある患者
[心機能抑制作用及び催不整脈作用により、心不全を悪化させるおそれがある。また、循環不全により肝・腎障害があらわれるおそれがある。] - 2.3 透析中の患者[9.2.1 参照]
-
2.4 閉塞隅角緑内障の患者
[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。] -
2.5 尿貯留傾向のある患者
[抗コリン作用により、尿閉を悪化させるおそれがある。] - 2.6 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.7 バルデナフィル塩酸塩水和物、モキシフロキサシン塩酸塩、ラスクフロキサシン塩酸塩(注射剤)、トレミフェンクエン酸塩、フィンゴリモド塩酸塩、シポニモド フマル酸又はエリグルスタット酒石酸塩を投与中の患者[10.1 参照]
4. 効能又は効果
下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合
頻脈性不整脈
6. 用法及び用量
通常、成人にはシベンゾリンコハク酸塩として、1日300mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合は450mgまで増量し、1日3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
7. 用法及び用量に関連する注意
本剤は下記のとおり腎機能障害患者では血中濃度が持続するので、血清クレアチニン値(Scr)を指標とした障害の程度に応じ投与量を減じるなど用法・用量の調整をすること。[9.2.2 参照],[9.8 参照],[16.6.1 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤の投与に際しては、心不全、心原性ショック等を起こすことがあるため、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。[9.1.1 参照],[9.1.7 参照],[9.2.2 参照],[9.8 参照],[11.1.1 参照],[11.1.3 参照]
- 8.2 本剤の投与中は、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、血糖検査等)を定期的に行い、必要に応じて適宜本剤の血中濃度を測定すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。特に高齢者及び腎機能障害患者では、血中濃度上昇により低血糖が、また、基礎心疾患のある患者では、心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって肝・腎障害があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止すること。[8.6 参照],[9.2.2 参照],[9.8 参照],[11.1.4 参照],[11.1.5 参照],[16.6.1 参照],[16.6.2 参照]
- 8.3 本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる場合があるので、恒久的ペースメーカー使用中、あるいは一時的ペーシング中の患者に対しては十分注意して投与すること。また、ペースメーカー使用中の患者に投与する場合は適当な間隔でペーシング閾値を測定すること。異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止すること。
- 8.4 本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、霧視、視調節障害等の症状があらわれることがあるので、このような場合には減量するか投与を中止すること。
- 8.5 1日用量450mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
- 8.6 めまい、ふらつき、低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。[8.2 参照],[9.1.4 参照],[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
心不全を来すおそれのある患者では、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。心停止に至ることがある。また、開始後1~2週間は入院させること。心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高い。[8.1 参照]
- 9.1.2 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者(高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者は除く)
- 9.1.3 著明な洞性徐脈のある患者
- 9.1.4 治療中の糖尿病患者
-
9.1.5 血清カリウム低下のある患者
心電図変化に注意すること。催不整脈作用が誘発されやすい。
-
9.1.6 開放隅角緑内障の患者
抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。
-
9.1.7 他の抗不整脈薬を併用している患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。心停止に至ることがある。併用時の有効性、安全性は確立していない。[8.1 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 透析中の患者
投与しないこと。急激な血中濃度上昇により意識障害を伴う低血糖などの重篤な副作用を起こしやすい。本剤は透析ではほとんど除去されない。[2.3 参照]
-
9.2.2 腎機能障害患者(透析中の患者を除く)
少量から開始するなど投与量に十分に注意し、頻回に心電図検査を実施し、慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすい。[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で本剤の乳汁中移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
入院させて開始することが望ましい。少量(例えば1日150mg)から開始するなど投与量に十分に注意し、頻回に心電図検査を実施し、腎機能障害のある患者に準じて慎重に観察しながら投与すること。心停止に至ることがある。肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[16.6.2 参照]
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
バルデナフィル塩酸塩水和物 (レビトラ) モキシフロキサシン塩酸塩 (サデルガ) |
心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。 |
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により相加的に作用が増強するおそれがある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
β-受容体遮断剤 |
本剤の作用が増強される可能性がある。 |
機序は明らかではないが、動物実験において本剤とこれらの薬剤との併用による作用増強の可能性が報告されている。 |
糖尿病用薬 DPP-4阻害剤 SGLT2阻害剤 等 |
低血糖があらわれるおそれがある。 |
動物実験において、本剤高用量投与時にインスリン分泌亢進が認められるとの報告があり、これらの薬剤との併用により血糖降下作用が増強される可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 催不整脈作用
心室細動、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)(いずれも頻度不明)、上室性不整脈(1%未満)があらわれ、心停止に至る場合もある。心電図に異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、抗不整脈薬を投与するなど適切な処置を行うこと。[8.1 参照]
-
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、発疹、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.3 心不全、心原性ショック(いずれも頻度不明)
心機能検査で異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。[8.1 参照]
-
11.1.4 低血糖(1%未満)
低血糖が疑われる症状(脱力・倦怠感、発汗、冷感、意識障害、錯乱等)がみられた場合には、投与を中止し、必要に応じブドウ糖を投与すること。[8.2 参照],[8.6 参照],[10.2 参照]
-
11.1.5 循環不全による肝障害(頻度不明)
本剤の心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって重篤な肝障害(トランスアミナーゼ、LDHの急激な上昇を特徴とするショック肝)があらわれることがある。このような場合には、投与を中止し、早急にドパミンの投与等心機能改善のための処置を行うとともに、必要に応じ肝庇護療法など適切な処置を行うこと。なお、このような症例では、腎障害を伴うことがある。[8.2 参照]
-
11.1.6 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
- 11.1.7 顆粒球減少、白血球減少(各1%未満)、貧血、血小板減少(いずれも頻度不明)
-
11.1.8 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
1~2%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
循環器 |
PQ延長、QRS幅延長、QTc延長、房室ブロック、動悸 |
脚ブロック、洞結節機能低下、徐脈、血圧低下 |
|
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇, Al-P上昇 |
||
泌尿器 |
尿閉、排尿困難等の排尿障害 |
||
腎臓 |
BUN上昇、クレアチニン上昇 |
||
眼 |
光視症、霧視等の視調節障害 |
||
過敏症 |
発疹、紅斑、そう痒感 |
||
精神 神経系 |
ふらつき |
頭痛、頭重、めまい、眠気、振戦、立ちくらみ、幻覚 |
|
消化器 |
口渇、悪心 |
食欲不振、便秘、嘔吐、口内炎 |
腹痛、腹部不快感 |
その他 |
脱力感、倦怠感、冷汗、胸部圧迫感、息切れ、関節痛、鼻乾燥、インポテンス |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の投与により、ブロモフェノールブルー系試験紙法での尿蛋白検査では偽陽性を呈することがあるので、スルホサリチル酸法を用いること。
13. 過量投与
-
13.1 症状
主として心電図の変化、特にQRS幅の著しい延長と心原性ショック等の心抑制症状の併発がみられる。また、腎不全があり、本剤の血中濃度が非常に高い場合は低血糖を起こしやすく、また、まれに筋無力症(呼吸筋を含む)を起こすおそれがある。
-
13.2 処置
心電図、呼吸、血圧の監視及び一般的維持療法を行う。
本剤は透析ではほとんど除去されないので、中毒時の治療法としては透析は有効ではない。
・催吐、胃洗浄
・過量投与の治療法としては、乳酸ナトリウムを必要に応じカリウムとともに持続注入する。
・心抑制症状に対しては必要に応じてドパミン、ドブタミン、イソプレナリン等の投与を行う。
・ブロックがあればペースメーカーを装着する。また、薬剤で効果がみられない心電図異常に対してはペースメーカーを装着するか電気ショックを行うなど必要に応じた処置を行う。
・低血糖がみられている場合は、ブドウ糖の投与を行う。