薬効分類名短時間作用型β₁選択的遮断剤
一般的名称注射用ランジオロール塩酸塩
オノアクト点滴静注用50mg、オノアクト点滴静注用150mg
ONOACT for I.V. Infusion, ONOACT for I.V. Infusion
製造販売/小野薬品工業株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤
- レセルピン等
交感神経系の過剰の抑制をきたすおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
レセルピン等のカテコールアミン枯渇剤が投与されている時にβ遮断剤のカテコールアミン遮断作用が加わると交感神経活性が過度に低下するおそれがある。
血糖降下剤
- インスリン等
低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。
血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、心拍数を増加させるが、心臓のβ1受容体が遮断されていると、心拍数の増加が起きず、頻脈のような低血糖症状がマスクされるおそれがある。
相互に作用が増強されるおそれがある。うっ血性心不全のおそれのある患者、洞房ブロック、房室ブロックのある患者では重度の低血圧、徐脈、心不全が発現するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
カルシウム拮抗剤とβ遮断剤は共に心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、血圧低下作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある。
ジギタリス製剤
[18.2.6 参照]
房室伝導時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
ジギタリス製剤とβ遮断剤は共に房室伝導時間の延長作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある。
過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
クラスⅠ抗不整脈剤及びクラスⅢ抗不整脈剤は刺激伝導系に対する抑制作用を有するので、これらの薬剤との併用で過度の心機能抑制作用が起こるおそれがある。
クロニジン
クロニジン投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強する可能性がある。手術前数日以内にクロニジンを投与中止した場合には、本剤の投与を慎重に行うこと。
クロニジンを投与されている患者でクロニジンを中止すると、血中カテコールアミンが上昇し、血圧上昇をきたす。β遮断剤を投与すると、カテコールアミンによるα刺激作用が優位になり、血管収縮がさらに増強されるおそれがある。
血管収縮により、血圧上昇をきたすことがあるので注意すること。
α、β刺激作用を有する薬剤の場合には、本剤により交感神経刺激剤のβ刺激作用が抑制され、α刺激作用が優位となり、血管収縮が起こるおそれがある。
コリンエステラーゼ阻害剤
- ネオスチグミン
ジスチグミン臭化物
エドロホニウム塩化物等
本剤の代謝を阻害し、作用が増強及び作用時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
本剤はエステラーゼで代謝されるため、これらの薬剤との併用により本剤の作用が増強及び作用時間が延長するおそれがある。
フェンタニルクエン酸塩
プロポフォール
[18.2.6 参照]
徐拍作用を増強するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
フェンタニルクエン酸塩及びプロポフォールは徐拍作用を持つ麻酔薬であり、これら薬剤との併用により、徐拍作用が増強するおそれがある。
プロカイン
スキサメトニウム
本剤及び他剤の作用時間が延長することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
同一の酵素によって代謝されるため、拮抗的な阻害を受けるものと推測される。ヒト血漿を用いたin vitro試験結果から、スキサメトニウムとの併用で本剤の血中濃度が最大20%程度上昇する可能性がある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 2.2 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者(ただし、敗血症に起因する代謝性アシドーシスは除く)[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]
- 2.3 房室ブロック(Ⅱ度以上)、洞不全症候群など徐脈性不整脈患者[刺激伝導系に対し抑制的に作用し、悪化させるおそれがある。]
- 2.4 肺高血圧症による右心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 2.5 **未治療の褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者[7.2 参照],[9.1.7 参照]
- 2.6 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
5. 効能又は効果に関連する注意
- *〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
-
〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 5.2 洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去が重要であることに十分留意するとともに、本剤の効果が心拍数の減少作用であることを踏まえて、本剤は緊急処置として必要に応じて使用すること。[8.7 参照]
- 〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 〈成人の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合〉
- *〈小児の心機能低下例における頻脈性不整脈〉
-
〈生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合〉
- 5.6 本剤は、難治性の心室細動又は血行動態不安定な心室頻拍の再発抑制に使用すること。
- 5.7 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.7 参照]
-
〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
- 5.8 本剤は、感染症管理、呼吸・循環管理(特に、血管内容量評価に基づく輸液負荷、カテコラミン等の循環作動薬の投与)などの敗血症に対する適切な治療下で、目安として平均血圧65mmHg以上を維持しているにもかかわらず頻脈性不整脈が持続している場合に適用を考慮すること。
- 5.9 ICU、CCU及びそれに準じた全身管理が可能な施設において、敗血症に対する治療の経験が十分にある医師のもとで、心電図モニターを用い、心拍数の監視、血圧測定を行うこと。また、本剤の投与により、循環不全が悪化するおそれがあるため、適切に心拍数、血圧をモニターする等、循環不全の増悪に留意すること。循環不全が悪化した際には、本剤の投与を直ちに中止するとともに、輸液負荷や循環作動薬の投与など、適切な循環管理を行うこと。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.12 参照]
- 5.10 敗血症では心機能低下を生じることがあるため、本剤投与開始前の心機能を観察し、投与可否を慎重に判断すること。[8.12 参照],[9.1.8 参照]
- 5.11 洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去を優先すべきであることに十分留意し、洞性頻脈の原疾患の治療を十分行った上で本剤の適用を考慮すること。
6. 用法及び用量
-
〈手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
ランジオロール塩酸塩として、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
-
〈手術後の循環動態監視下における頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
ランジオロール塩酸塩として、1分間0.06mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.02mg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。5~10分を目安に目標とする徐拍作用が得られない場合は、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
-
*〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈〉
ランジオロール塩酸塩として、1μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し1~10μg/kg/minの用量で適宜調節する。
-
〈生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合〉
ランジオロール塩酸塩として、1μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し1~10μg/kg/minの用量で適宜調節する。なお、心室細動又は血行動態不安定な心室頻拍が再発し本剤投与が必要な場合には、心拍数、血圧を測定し最大40μg/kg/minまで増量できる。
-
〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
ランジオロール塩酸塩として、1μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し、維持量は適宜増減する。ただし、最大用量は20μg/kg/minを超えないこと。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 7.1 目標とする心拍数に調節した後は、循環動態、特に血圧低下に注意し、本剤を心拍数の維持に必要な最低の速度で持続投与すること。
- 7.2 **褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤を投与した後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。[2.5 参照],[9.1.7 参照]
- 7.3 手術時、手術後、心機能低下例、生命に危険のある不整脈及び敗血症に伴う頻脈性不整脈の用法及び用量がそれぞれ異なることに留意すること。
-
7.4 本剤投与に際しては、下記の体重別静脈内持続投与速度表を参考にすること。
精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)を使用する場合:表内の単位は投与速度を表示-
7.4.1 手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置
-
(1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
投与
時期用法及び用量
適宜調整
投与開始
から1分間投与開始
1分後以降体重\投与量
0.125
mg/kg/min0.04
mg/kg/min0.01~0.04
mg/kg/min30kg
22.5mL/時
7.2mL/時
1.8~ 7.2mL/時
40kg
30.0mL/時
9.6mL/時
2.4~ 9.6mL/時
50kg
37.5mL/時
12.0mL/時
3.0~12.0mL/時
60kg
45.0mL/時
14.4mL/時
3.6~14.4mL/時
70kg
52.5mL/時
16.8mL/時
4.2~16.8mL/時
-
(2) 本剤50mgを20mLに溶解した場合
投与
時期用法及び用量
適宜調整
投与開始
から1分間投与開始
1分後以降体重\投与量
0.125
mg/kg/min0.04
mg/kg/min0.01~0.04
mg/kg/min30kg
90.0mL/時
28.8mL/時
7.2~28.8mL/時
40kg
120.0mL/時
38.4mL/時
9.6~38.4mL/時
50kg
150.0mL/時
48.0mL/時
12.0~48.0mL/時
60kg
180.0mL/時
57.6mL/時
14.4~57.6mL/時
70kg
210.0mL/時
67.2mL/時
16.8~67.2mL/時
-
(1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
-
7.4.2 手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置
-
(1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
投与
時期開始用量
最大用量
投与開始
から1分間投与開始
1分後以降投与開始
から1分間投与開始
1分後以降体重\投与量
0.06
mg/kg/min0.02
mg/kg/min0.125
mg/kg/min0.04
mg/kg/min30kg
10.8mL/時
3.6mL/時
22.5mL/時
7.2mL/時
40kg
14.4mL/時
4.8mL/時
30.0mL/時
9.6mL/時
50kg
18.0mL/時
6.0mL/時
37.5mL/時
12.0mL/時
60kg
21.6mL/時
7.2mL/時
45.0mL/時
14.4mL/時
70kg
25.2mL/時
8.4mL/時
52.5mL/時
16.8mL/時
-
(2) 本剤50mgを20mLに溶解した場合
投与
時期開始用量
最大用量
投与開始
から1分間投与開始
1分後以降投与開始
から1分間投与開始
1分後以降体重\投与量
0.06
mg/kg/min0.02
mg/kg/min0.125
mg/kg/min0.04
mg/kg/min30kg
43.2mL/時
14.4mL/時
90.0mL/時
28.8mL/時
40kg
57.6mL/時
19.2mL/時
120.0mL/時
38.4mL/時
50kg
72.0mL/時
24.0mL/時
150.0mL/時
48.0mL/時
60kg
86.4mL/時
28.8mL/時
180.0mL/時
57.6mL/時
70kg
100.8mL/時
33.6mL/時
210.0mL/時
67.2mL/時
-
(1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
- 7.4.3 成人の心機能低下例における頻脈性不整脈
- 7.4.4 生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合
- 7.4.5 敗血症に伴う頻脈性不整脈
-
7.4.6 *小児の心機能低下例における頻脈性不整脈
- 体重に応じ薬液濃度を調整する。
-
(1) 本剤の投与速度を0.5~5mL/時とする場合
体重\投与量
用法及び用量
薬液濃度
(mg/mL)投与開始時
適宜調整
1μg/kg/min
1~10μg/kg/min
2.5kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
0.3
5kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
0.6
10kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
1.2
20kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
2.4
30kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
3.6
40kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
4.8
50kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
6
60kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
7.2
70kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
8.4
-
(2) 本剤の投与速度を1~10mL/時とする場合
体重\投与量
用法及び用量
薬液濃度
(mg/mL)投与開始時
適宜調整
1μg/kg/min
1~10μg/kg/min
2.5kg
1mL/時
1~10mL/時
0.15
5kg
1mL/時
1~10mL/時
0.3
10kg
1mL/時
1~10mL/時
0.6
20kg
1mL/時
1~10mL/時
1.2
30kg
1mL/時
1~10mL/時
1.8
40kg
1mL/時
1~10mL/時
2.4
50kg
1mL/時
1~10mL/時
3
60kg
1mL/時
1~10mL/時
3.6
70kg
1mL/時
1~10mL/時
4.2
-
(1) 本剤の投与速度を0.5~5mL/時とする場合
- 体重に応じ薬液濃度を調整する。
-
7.4.1 手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置
- *〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
-
〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 7.6 本剤を再投与する際の投与間隔は5~15分間を目安とすること。なお、再投与は用法及び用量に従って実施すること。[16.1.1 参照],[16.1.2 参照],[16.1.3 参照],[17.1.3 参照]
-
*〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
- 7.7 *心拍数及び血圧等に十分に注意し、慎重に、狭い用量幅で用量を調節すること。[17.1.6 参照],[17.1.7 参照],[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
-
〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
- 7.8 投与開始時及び増量時は、慎重かつ頻回に心拍数及び血圧をモニタリングすること。[17.1.8 参照]
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 *心電図による監視、血圧の測定等、心機能をモニターしながら投与すること。血圧低下又は徐脈を認めた場合等は減量あるいは投与を中止し、必要に応じて適切な処置を行うこと。また、PQ時間が過度に延長した場合、投与を中止すること。[5.3 参照],[5.4 参照],[5.5 参照],[5.9 参照],[13.1 参照]
- 8.2 *心筋虚血のリスクのある患者では、心拍数減少の有益性が血圧低下の危険性を上回ると判断された場合にのみ適用を考慮すること。[5.4 参照],[5.5 参照],[5.9 参照]
- 8.3 狭心症の患者で類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)の投与を急に中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されている。本剤の投与を中止する場合においても観察を十分に行うこと。
- 8.4 心房細動及び心房粗動に対する使用に際しては、本剤の効果が心拍数の減少であることに留意し、頻脈性(型)であることを確認すること。[17.1.5 参照]
- 8.5 本剤の心拍数の減少効果は、投与終了後、速やかに減弱するものの、この効果の消失には投与終了後30~60分を要することに留意すること。[17.1.1 参照]
-
〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 8.6 大侵襲手術後等の心拍出量が低下している患者に本剤を投与する場合、本剤投与開始前の心機能を慎重に観察するとともに、心電図による監視、血圧の測定に加え、心拍出量及び血液ガス等の心機能をモニターし、患者の全身状態を十分管理しながら投与すること。[5.3 参照]
- 8.7 洞性頻脈に対して本剤を投与する場合は、心筋虚血や心不全等の発生及びその悪化のおそれのある患者における頻脈処置の必要性を十分考慮し、患者の基礎疾患、合併症の内容、手術前の状態及び手術内容等の事前の患者情報を精査した上で、頻脈の治療が必要とされる場合にのみ適用を考慮すること。[5.2 参照]
- 8.8 心不全の徴候又は症状が見られた場合は本剤を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。また、本剤投与前に適切な緊急措置が可能となるように準備しておくこと。必要に応じてアトロピン、β1刺激剤、輸液や昇圧剤等を準備しておくことが望ましい。[11.1.3 参照]
- 8.9 本剤は緊急治療を要する場合に短期間のみ適応すること。患者の状態を十分観察し、緊急治療の必要が無くなった場合は、漫然と継続投与しないこと。
- 〈手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
-
*〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
- 8.12 *本剤の投与により心不全が悪化するおそれがあり、重篤な状態に陥るおそれがあるため、心不全の悪化に常に注意すること。[5.4 参照],[5.5 参照],[5.9 参照],[5.10 参照],[9.1.8 参照],[11.1.3 参照]
- 8.13 *患者の状態を十分観察し、治療の必要が無くなった場合は、漫然と継続投与しないこと。また、〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈〉では10μg/kg/minの速度まで、〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉では20μg/kg/minの速度まで本剤を増量しても目標とする心拍数の低下が得られない場合、又は〈生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合〉では40μg/kg/minの速度まで本剤を増量しても発作の抑制効果が得られない場合は、本剤投与を中止し、適切な処置を行うこと。さらに、〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉では、本剤投与中も感染症管理及び呼吸・循環管理などの敗血症に対する適切な治療を実施した上で、本剤の継続投与の必要性を検討すること。
- 8.14 本剤の減量・中止時に、患者の状態に応じて経口β遮断剤への切り替えを考慮すること。
- 〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
〈効能共通〉
-
9.1.1 気管支痙攣性疾患の患者
気管支筋収縮作用により、痙攣症状の誘発、悪化を起こすおそれがある。本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有する。[18.2.1 参照]
-
9.1.2 コントロール不十分な糖尿病患者
低血糖症状としての頻脈等の交感神経系反応をマスクするおそれがある。
-
9.1.3 低血圧症の患者
心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。
-
9.1.4 重篤な血液障害のある患者
薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある。[16.4 参照]
-
9.1.5 末梢循環障害のある患者(壊疽、レイノー症候群、間歇性跛行等)
末梢血管の拡張を抑制し、症状が悪化するおそれがある。本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有する。[18.2.1 参照]
-
9.1.6 大量出血や脱水症状等により循環血液量が減少している患者
本剤投与により血圧低下をきたしやすい。
- 9.1.7 **褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者
-
9.1.1 気管支痙攣性疾患の患者
- 〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
-
*〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
-
9.1.9 非代償性心不全の患者
代償性心不全の患者よりも、心不全が増悪するおそれがあり、重篤な状態に陥るおそれがさらにある。[11.1.3 参照]
-
9.1.9 非代償性心不全の患者
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重篤な腎機能障害患者
薬剤の排泄が影響を受けるおそれがある。[16.5 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝機能障害患者
薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある。[16.4 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
十分に患者の状態を観察しながら投与すること。生理機能が低下していることが多く、本剤の作用が強く発現するおそれがある。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
交感神経系の過剰の抑制をきたすおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
レセルピン等のカテコールアミン枯渇剤が投与されている時にβ遮断剤のカテコールアミン遮断作用が加わると交感神経活性が過度に低下するおそれがある。 |
|
低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。 |
血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、心拍数を増加させるが、心臓のβ1受容体が遮断されていると、心拍数の増加が起きず、頻脈のような低血糖症状がマスクされるおそれがある。 |
|
相互に作用が増強されるおそれがある。うっ血性心不全のおそれのある患者、洞房ブロック、房室ブロックのある患者では重度の低血圧、徐脈、心不全が発現するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
カルシウム拮抗剤とβ遮断剤は共に心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、血圧低下作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある。 |
|
ジギタリス製剤 |
房室伝導時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
ジギタリス製剤とβ遮断剤は共に房室伝導時間の延長作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある。 |
過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
クラスⅠ抗不整脈剤及びクラスⅢ抗不整脈剤は刺激伝導系に対する抑制作用を有するので、これらの薬剤との併用で過度の心機能抑制作用が起こるおそれがある。 |
|
クロニジン |
クロニジン投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強する可能性がある。手術前数日以内にクロニジンを投与中止した場合には、本剤の投与を慎重に行うこと。 |
クロニジンを投与されている患者でクロニジンを中止すると、血中カテコールアミンが上昇し、血圧上昇をきたす。β遮断剤を投与すると、カテコールアミンによるα刺激作用が優位になり、血管収縮がさらに増強されるおそれがある。 |
血管収縮により、血圧上昇をきたすことがあるので注意すること。 |
α、β刺激作用を有する薬剤の場合には、本剤により交感神経刺激剤のβ刺激作用が抑制され、α刺激作用が優位となり、血管収縮が起こるおそれがある。 |
|
本剤の代謝を阻害し、作用が増強及び作用時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
本剤はエステラーゼで代謝されるため、これらの薬剤との併用により本剤の作用が増強及び作用時間が延長するおそれがある。 |
|
フェンタニルクエン酸塩 |
徐拍作用を増強するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
フェンタニルクエン酸塩及びプロポフォールは徐拍作用を持つ麻酔薬であり、これら薬剤との併用により、徐拍作用が増強するおそれがある。 |
プロカイン |
本剤及び他剤の作用時間が延長することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
同一の酵素によって代謝されるため、拮抗的な阻害を受けるものと推測される。ヒト血漿を用いたin vitro試験結果から、スキサメトニウムとの併用で本剤の血中濃度が最大20%程度上昇する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 ショック(0.1%)
過度の血圧低下があらわれることがある。
- 11.1.2 心停止(0.2%)、完全房室ブロック(頻度不明)、洞停止(頻度不明)、高度徐脈(頻度不明)
-
11.1.3 心不全(0.1%)
心不全の急激な増悪があらわれるおそれがある。[8.8 参照],[8.12 参照],[9.1.9 参照]
11.2 その他の副作用
10%以上 |
1~10%未満 |
1%未満 |
|
|---|---|---|---|
循環器 |
血圧低下 |
徐脈、ST低下、肺動脈圧上昇 |
|
呼吸器 |
喘息、低酸素血症 |
||
肝 臓 |
AST上昇、ALT上昇、総ビリルビン上昇 |
γ-GTP上昇 |
|
その他 |
白血球増多、血小板減少、Al-P上昇、LDH上昇、BUN上昇、クレアチニン上昇、尿酸上昇 |
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 心原性ショックの患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 2.2 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者(ただし、敗血症に起因する代謝性アシドーシスは除く)[アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがある。]
- 2.3 房室ブロック(Ⅱ度以上)、洞不全症候群など徐脈性不整脈患者[刺激伝導系に対し抑制的に作用し、悪化させるおそれがある。]
- 2.4 肺高血圧症による右心不全のある患者[心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。]
- 2.5 **未治療の褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者[7.2 参照],[9.1.7 参照]
- 2.6 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
5. 効能又は効果に関連する注意
- *〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
-
〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 5.2 洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去が重要であることに十分留意するとともに、本剤の効果が心拍数の減少作用であることを踏まえて、本剤は緊急処置として必要に応じて使用すること。[8.7 参照]
- 〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 〈成人の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合〉
- *〈小児の心機能低下例における頻脈性不整脈〉
-
〈生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合〉
- 5.6 本剤は、難治性の心室細動又は血行動態不安定な心室頻拍の再発抑制に使用すること。
- 5.7 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.7 参照]
-
〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
- 5.8 本剤は、感染症管理、呼吸・循環管理(特に、血管内容量評価に基づく輸液負荷、カテコラミン等の循環作動薬の投与)などの敗血症に対する適切な治療下で、目安として平均血圧65mmHg以上を維持しているにもかかわらず頻脈性不整脈が持続している場合に適用を考慮すること。
- 5.9 ICU、CCU及びそれに準じた全身管理が可能な施設において、敗血症に対する治療の経験が十分にある医師のもとで、心電図モニターを用い、心拍数の監視、血圧測定を行うこと。また、本剤の投与により、循環不全が悪化するおそれがあるため、適切に心拍数、血圧をモニターする等、循環不全の増悪に留意すること。循環不全が悪化した際には、本剤の投与を直ちに中止するとともに、輸液負荷や循環作動薬の投与など、適切な循環管理を行うこと。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.12 参照]
- 5.10 敗血症では心機能低下を生じることがあるため、本剤投与開始前の心機能を観察し、投与可否を慎重に判断すること。[8.12 参照],[9.1.8 参照]
- 5.11 洞性頻脈においては、その原因検索及びその除去を優先すべきであることに十分留意し、洞性頻脈の原疾患の治療を十分行った上で本剤の適用を考慮すること。
6. 用法及び用量
-
〈手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
ランジオロール塩酸塩として、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
-
〈手術後の循環動態監視下における頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
ランジオロール塩酸塩として、1分間0.06mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.02mg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。5~10分を目安に目標とする徐拍作用が得られない場合は、1分間0.125mg/kg/minの速度で静脈内持続投与した後、0.04mg/kg/minの速度で静脈内持続投与する。投与中は心拍数、血圧を測定し0.01~0.04mg/kg/minの用量で適宜調節する。
-
*〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈〉
ランジオロール塩酸塩として、1μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し1~10μg/kg/minの用量で適宜調節する。
-
〈生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合〉
ランジオロール塩酸塩として、1μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し1~10μg/kg/minの用量で適宜調節する。なお、心室細動又は血行動態不安定な心室頻拍が再発し本剤投与が必要な場合には、心拍数、血圧を測定し最大40μg/kg/minまで増量できる。
-
〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
ランジオロール塩酸塩として、1μg/kg/minの速度で静脈内持続投与を開始する。投与中は心拍数、血圧を測定し、維持量は適宜増減する。ただし、最大用量は20μg/kg/minを超えないこと。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 7.1 目標とする心拍数に調節した後は、循環動態、特に血圧低下に注意し、本剤を心拍数の維持に必要な最低の速度で持続投与すること。
- 7.2 **褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者では、α遮断剤を投与した後に本剤を投与し、常にα遮断剤を併用すること。[2.5 参照],[9.1.7 参照]
- 7.3 手術時、手術後、心機能低下例、生命に危険のある不整脈及び敗血症に伴う頻脈性不整脈の用法及び用量がそれぞれ異なることに留意すること。
-
7.4 本剤投与に際しては、下記の体重別静脈内持続投与速度表を参考にすること。
精密持続点滴装置(シリンジポンプ又は輸液ポンプ)を使用する場合:表内の単位は投与速度を表示-
7.4.1 手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置
-
(1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
投与
時期用法及び用量
適宜調整
投与開始
から1分間投与開始
1分後以降体重\投与量
0.125
mg/kg/min0.04
mg/kg/min0.01~0.04
mg/kg/min30kg
22.5mL/時
7.2mL/時
1.8~ 7.2mL/時
40kg
30.0mL/時
9.6mL/時
2.4~ 9.6mL/時
50kg
37.5mL/時
12.0mL/時
3.0~12.0mL/時
60kg
45.0mL/時
14.4mL/時
3.6~14.4mL/時
70kg
52.5mL/時
16.8mL/時
4.2~16.8mL/時
-
(2) 本剤50mgを20mLに溶解した場合
投与
時期用法及び用量
適宜調整
投与開始
から1分間投与開始
1分後以降体重\投与量
0.125
mg/kg/min0.04
mg/kg/min0.01~0.04
mg/kg/min30kg
90.0mL/時
28.8mL/時
7.2~28.8mL/時
40kg
120.0mL/時
38.4mL/時
9.6~38.4mL/時
50kg
150.0mL/時
48.0mL/時
12.0~48.0mL/時
60kg
180.0mL/時
57.6mL/時
14.4~57.6mL/時
70kg
210.0mL/時
67.2mL/時
16.8~67.2mL/時
-
(1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
-
7.4.2 手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置
-
(1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
投与
時期開始用量
最大用量
投与開始
から1分間投与開始
1分後以降投与開始
から1分間投与開始
1分後以降体重\投与量
0.06
mg/kg/min0.02
mg/kg/min0.125
mg/kg/min0.04
mg/kg/min30kg
10.8mL/時
3.6mL/時
22.5mL/時
7.2mL/時
40kg
14.4mL/時
4.8mL/時
30.0mL/時
9.6mL/時
50kg
18.0mL/時
6.0mL/時
37.5mL/時
12.0mL/時
60kg
21.6mL/時
7.2mL/時
45.0mL/時
14.4mL/時
70kg
25.2mL/時
8.4mL/時
52.5mL/時
16.8mL/時
-
(2) 本剤50mgを20mLに溶解した場合
投与
時期開始用量
最大用量
投与開始
から1分間投与開始
1分後以降投与開始
から1分間投与開始
1分後以降体重\投与量
0.06
mg/kg/min0.02
mg/kg/min0.125
mg/kg/min0.04
mg/kg/min30kg
43.2mL/時
14.4mL/時
90.0mL/時
28.8mL/時
40kg
57.6mL/時
19.2mL/時
120.0mL/時
38.4mL/時
50kg
72.0mL/時
24.0mL/時
150.0mL/時
48.0mL/時
60kg
86.4mL/時
28.8mL/時
180.0mL/時
57.6mL/時
70kg
100.8mL/時
33.6mL/時
210.0mL/時
67.2mL/時
-
(1) 本剤50mgを5mLに溶解した場合
- 7.4.3 成人の心機能低下例における頻脈性不整脈
- 7.4.4 生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合
- 7.4.5 敗血症に伴う頻脈性不整脈
-
7.4.6 *小児の心機能低下例における頻脈性不整脈
- 体重に応じ薬液濃度を調整する。
-
(1) 本剤の投与速度を0.5~5mL/時とする場合
体重\投与量
用法及び用量
薬液濃度
(mg/mL)投与開始時
適宜調整
1μg/kg/min
1~10μg/kg/min
2.5kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
0.3
5kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
0.6
10kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
1.2
20kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
2.4
30kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
3.6
40kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
4.8
50kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
6
60kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
7.2
70kg
0.5mL/時
0.5~5mL/時
8.4
-
(2) 本剤の投与速度を1~10mL/時とする場合
体重\投与量
用法及び用量
薬液濃度
(mg/mL)投与開始時
適宜調整
1μg/kg/min
1~10μg/kg/min
2.5kg
1mL/時
1~10mL/時
0.15
5kg
1mL/時
1~10mL/時
0.3
10kg
1mL/時
1~10mL/時
0.6
20kg
1mL/時
1~10mL/時
1.2
30kg
1mL/時
1~10mL/時
1.8
40kg
1mL/時
1~10mL/時
2.4
50kg
1mL/時
1~10mL/時
3
60kg
1mL/時
1~10mL/時
3.6
70kg
1mL/時
1~10mL/時
4.2
-
(1) 本剤の投与速度を0.5~5mL/時とする場合
- 体重に応じ薬液濃度を調整する。
-
7.4.1 手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置
- *〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
-
〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 7.6 本剤を再投与する際の投与間隔は5~15分間を目安とすること。なお、再投与は用法及び用量に従って実施すること。[16.1.1 参照],[16.1.2 参照],[16.1.3 参照],[17.1.3 参照]
-
*〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
- 7.7 *心拍数及び血圧等に十分に注意し、慎重に、狭い用量幅で用量を調節すること。[17.1.6 参照],[17.1.7 参照],[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
-
〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
- 7.8 投与開始時及び増量時は、慎重かつ頻回に心拍数及び血圧をモニタリングすること。[17.1.8 参照]
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 *心電図による監視、血圧の測定等、心機能をモニターしながら投与すること。血圧低下又は徐脈を認めた場合等は減量あるいは投与を中止し、必要に応じて適切な処置を行うこと。また、PQ時間が過度に延長した場合、投与を中止すること。[5.3 参照],[5.4 参照],[5.5 参照],[5.9 参照],[13.1 参照]
- 8.2 *心筋虚血のリスクのある患者では、心拍数減少の有益性が血圧低下の危険性を上回ると判断された場合にのみ適用を考慮すること。[5.4 参照],[5.5 参照],[5.9 参照]
- 8.3 狭心症の患者で類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)の投与を急に中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されている。本剤の投与を中止する場合においても観察を十分に行うこと。
- 8.4 心房細動及び心房粗動に対する使用に際しては、本剤の効果が心拍数の減少であることに留意し、頻脈性(型)であることを確認すること。[17.1.5 参照]
- 8.5 本剤の心拍数の減少効果は、投与終了後、速やかに減弱するものの、この効果の消失には投与終了後30~60分を要することに留意すること。[17.1.1 参照]
-
〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 8.6 大侵襲手術後等の心拍出量が低下している患者に本剤を投与する場合、本剤投与開始前の心機能を慎重に観察するとともに、心電図による監視、血圧の測定に加え、心拍出量及び血液ガス等の心機能をモニターし、患者の全身状態を十分管理しながら投与すること。[5.3 参照]
- 8.7 洞性頻脈に対して本剤を投与する場合は、心筋虚血や心不全等の発生及びその悪化のおそれのある患者における頻脈処置の必要性を十分考慮し、患者の基礎疾患、合併症の内容、手術前の状態及び手術内容等の事前の患者情報を精査した上で、頻脈の治療が必要とされる場合にのみ適用を考慮すること。[5.2 参照]
- 8.8 心不全の徴候又は症状が見られた場合は本剤を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。また、本剤投与前に適切な緊急措置が可能となるように準備しておくこと。必要に応じてアトロピン、β1刺激剤、輸液や昇圧剤等を準備しておくことが望ましい。[11.1.3 参照]
- 8.9 本剤は緊急治療を要する場合に短期間のみ適応すること。患者の状態を十分観察し、緊急治療の必要が無くなった場合は、漫然と継続投与しないこと。
- 〈手術時の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
- 〈手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置〉
-
*〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
- 8.12 *本剤の投与により心不全が悪化するおそれがあり、重篤な状態に陥るおそれがあるため、心不全の悪化に常に注意すること。[5.4 参照],[5.5 参照],[5.9 参照],[5.10 参照],[9.1.8 参照],[11.1.3 参照]
- 8.13 *患者の状態を十分観察し、治療の必要が無くなった場合は、漫然と継続投与しないこと。また、〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈〉では10μg/kg/minの速度まで、〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉では20μg/kg/minの速度まで本剤を増量しても目標とする心拍数の低下が得られない場合、又は〈生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合〉では40μg/kg/minの速度まで本剤を増量しても発作の抑制効果が得られない場合は、本剤投与を中止し、適切な処置を行うこと。さらに、〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉では、本剤投与中も感染症管理及び呼吸・循環管理などの敗血症に対する適切な治療を実施した上で、本剤の継続投与の必要性を検討すること。
- 8.14 本剤の減量・中止時に、患者の状態に応じて経口β遮断剤への切り替えを考慮すること。
- 〈敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
〈効能共通〉
-
9.1.1 気管支痙攣性疾患の患者
気管支筋収縮作用により、痙攣症状の誘発、悪化を起こすおそれがある。本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有する。[18.2.1 参照]
-
9.1.2 コントロール不十分な糖尿病患者
低血糖症状としての頻脈等の交感神経系反応をマスクするおそれがある。
-
9.1.3 低血圧症の患者
心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがある。
-
9.1.4 重篤な血液障害のある患者
薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある。[16.4 参照]
-
9.1.5 末梢循環障害のある患者(壊疽、レイノー症候群、間歇性跛行等)
末梢血管の拡張を抑制し、症状が悪化するおそれがある。本剤はβ1受容体選択的遮断剤であるが、弱いながらもβ2受容体遮断作用も有する。[18.2.1 参照]
-
9.1.6 大量出血や脱水症状等により循環血液量が減少している患者
本剤投与により血圧低下をきたしやすい。
- 9.1.7 **褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者
-
9.1.1 気管支痙攣性疾患の患者
- 〈手術時・手術後の頻脈性不整脈に対する緊急処置、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
-
*〈成人及び小児の心機能低下例における頻脈性不整脈、生命に危険のある不整脈で難治性かつ緊急を要する場合、敗血症に伴う頻脈性不整脈〉
-
9.1.9 非代償性心不全の患者
代償性心不全の患者よりも、心不全が増悪するおそれがあり、重篤な状態に陥るおそれがさらにある。[11.1.3 参照]
-
9.1.9 非代償性心不全の患者
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重篤な腎機能障害患者
薬剤の排泄が影響を受けるおそれがある。[16.5 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝機能障害患者
薬剤の代謝、排泄が影響を受けるおそれがある。[16.4 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
十分に患者の状態を観察しながら投与すること。生理機能が低下していることが多く、本剤の作用が強く発現するおそれがある。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
交感神経系の過剰の抑制をきたすおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
レセルピン等のカテコールアミン枯渇剤が投与されている時にβ遮断剤のカテコールアミン遮断作用が加わると交感神経活性が過度に低下するおそれがある。 |
|
低血糖症状(頻脈等)をマスクすることがあるので、血糖値に注意すること。 |
血糖値が低下するとカテコールアミンが副腎から分泌され、心拍数を増加させるが、心臓のβ1受容体が遮断されていると、心拍数の増加が起きず、頻脈のような低血糖症状がマスクされるおそれがある。 |
|
相互に作用が増強されるおそれがある。うっ血性心不全のおそれのある患者、洞房ブロック、房室ブロックのある患者では重度の低血圧、徐脈、心不全が発現するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
カルシウム拮抗剤とβ遮断剤は共に心収縮力や刺激伝導系の抑制作用、血圧低下作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある。 |
|
ジギタリス製剤 |
房室伝導時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
ジギタリス製剤とβ遮断剤は共に房室伝導時間の延長作用を有するため、これらの薬剤との併用により作用が増強するおそれがある。 |
過度の心機能抑制があらわれるおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
クラスⅠ抗不整脈剤及びクラスⅢ抗不整脈剤は刺激伝導系に対する抑制作用を有するので、これらの薬剤との併用で過度の心機能抑制作用が起こるおそれがある。 |
|
クロニジン |
クロニジン投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強する可能性がある。手術前数日以内にクロニジンを投与中止した場合には、本剤の投与を慎重に行うこと。 |
クロニジンを投与されている患者でクロニジンを中止すると、血中カテコールアミンが上昇し、血圧上昇をきたす。β遮断剤を投与すると、カテコールアミンによるα刺激作用が優位になり、血管収縮がさらに増強されるおそれがある。 |
血管収縮により、血圧上昇をきたすことがあるので注意すること。 |
α、β刺激作用を有する薬剤の場合には、本剤により交感神経刺激剤のβ刺激作用が抑制され、α刺激作用が優位となり、血管収縮が起こるおそれがある。 |
|
本剤の代謝を阻害し、作用が増強及び作用時間が延長するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
本剤はエステラーゼで代謝されるため、これらの薬剤との併用により本剤の作用が増強及び作用時間が延長するおそれがある。 |
|
フェンタニルクエン酸塩 |
徐拍作用を増強するおそれがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
フェンタニルクエン酸塩及びプロポフォールは徐拍作用を持つ麻酔薬であり、これら薬剤との併用により、徐拍作用が増強するおそれがある。 |
プロカイン |
本剤及び他剤の作用時間が延長することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
同一の酵素によって代謝されるため、拮抗的な阻害を受けるものと推測される。ヒト血漿を用いたin vitro試験結果から、スキサメトニウムとの併用で本剤の血中濃度が最大20%程度上昇する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 ショック(0.1%)
過度の血圧低下があらわれることがある。
- 11.1.2 心停止(0.2%)、完全房室ブロック(頻度不明)、洞停止(頻度不明)、高度徐脈(頻度不明)
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11.1.3 心不全(0.1%)
心不全の急激な増悪があらわれるおそれがある。[8.8 参照],[8.12 参照],[9.1.9 参照]
11.2 その他の副作用
10%以上 |
1~10%未満 |
1%未満 |
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|---|---|---|---|
循環器 |
血圧低下 |
徐脈、ST低下、肺動脈圧上昇 |
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呼吸器 |
喘息、低酸素血症 |
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肝 臓 |
AST上昇、ALT上昇、総ビリルビン上昇 |
γ-GTP上昇 |
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その他 |
白血球増多、血小板減少、Al-P上昇、LDH上昇、BUN上昇、クレアチニン上昇、尿酸上昇 |