薬効分類名中枢神経刺激剤
一般的名称リスデキサンフェタミンメシル酸塩
ビバンセカプセル20mg、ビバンセカプセル30mg
びばんせかぷせる20mg、びばんせかぷせる30mg
Vyvanse Capsules, Vyvanse Capsules
製造販売元/武田薬品工業株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
- 尿のpHをアルカリ化する薬剤
本剤の作用が増強することがある。
本剤の活性体であるd-アンフェタミンの腎排泄が抑制され、半減期が延長する。
- 尿のpHを酸性化する薬剤
本剤の作用が減弱することがある。
本剤の活性体であるd-アンフェタミンの腎排泄が促進され、半減期が短縮する。
- セロトニン作用薬
まれにセロトニン症候群が起こることがある。
本剤のセロトニン再取り込み阻害作用及び神経終末からのセロトニン放出促進により、セロトニン作用が増強すると考えられる。
- メチルフェニデート塩酸塩
メチルフェニデート塩酸塩を投与中の患者には本剤の投与を避けることが望ましい。本剤の作用が増強するおそれがある。
相加作用のおそれがある。
- イオフルパン(123I)
本剤が線条体におけるイオフルパン(123I)の集積低下の原因となる可能性がある。画像を評価する際に留意すること。
本剤の活性体であるd-アンフェタミンがイオフルパン(123I)のドパミントランスポーターへの結合を低下させ、検査結果に干渉するおそれがある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分又は交感神経刺激アミン(メタンフェタミン、メチルフェニデート、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドパミン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 重篤な心血管障害のある患者[血圧又は心拍数を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。][8.5 参照]
- 2.3 甲状腺機能亢進のある患者[循環器系に影響を及ぼすことがある。]
- 2.4 過度の不安、緊張、興奮性のある患者[中枢神経刺激作用により症状を悪化させることがある。]
- 2.5 運動性チックのある患者、Tourette症候群又はその既往歴・家族歴のある患者[症状を悪化又は誘発させることがある。]
- 2.6 薬物乱用の既往歴のある患者[慢性的乱用により過度の耐性及び様々な程度の異常行動を伴う精神的依存を生じるおそれがある。]
- 2.7 閉塞隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 2.8 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
- 2.9 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与中止後2週間以内の患者[高血圧クリーゼに至るおそれがある。][10.1 参照]
4. 効能・効果
小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
5. 効能・効果に関連する注意
- 5.1 本剤の使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用すること。
- 5.2 本剤の6歳未満及び18歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
- 5.3 本剤による薬物治療を18歳未満で開始した患者において、18歳以降も継続して本剤を投与する場合には、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に投与するとともに、定期的に本剤の有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。
-
5.4 AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM※)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
※:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
6. 用法・用量
通常、小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口投与する。症状により、1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行うこと。
7. 用法・用量に関連する注意
- 7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
- 7.2 高度の腎機能障害のある患者(GFR30mL/min/1.73m2未満)には、1日用量として50mgを超えて投与しないこと。また、透析患者又はGFR15mL/min/1.73m2未満の患者では、更に低用量の投与を考慮し、増量に際しては患者の状態を十分に観察すること。[9.2.1 参照],[13.2 参照],[16.6.1 参照]
- 7.3 不眠があらわれるおそれがあるため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者及び保護者又はそれに代わる適切な者に対して、本剤の治療上の位置づけ、依存性等を含む本剤のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用方法について指導すること。
- 8.2 本剤を長期間投与する場合には、個々の患者に対して定期的に休薬期間を設定して有用性の再評価を実施すること。
- 8.3 まれに視覚障害の症状(調節障害、霧視)が報告されている。視覚障害が認められた場合には、眼科検査を実施し、必要に応じて投与を中断又は中止すること。
- 8.4 めまい、眠気、視覚障害等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
-
8.5 本剤の国内外臨床試験において0~16.7%に血圧上昇(20mmHg以上)、7.4~26.5%に脈拍数増加(20bpm以上)が認められた。本剤は血圧又は心拍数に影響を与えることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は以下の点に注意すること。[2.2 参照],[9.1.1 参照]
- 8.5.1 心血管系に対する影響を観察するため、本剤投与開始前及び投与期間中は、定期的に心拍数(脈拍数)及び血圧を測定すること。
- 8.5.2 本剤を心血管障害のある患者に投与する際は、循環器を専門とする医師に相談するなど、慎重に投与の可否を検討すること。
- 8.5.3 患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、又はそのおそれがある患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。また、本剤投与中に労作性胸痛、原因不明の失神、又は他の心疾患を示唆する症状を示した場合は、直ちに心血管系の状態を評価し、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 8.6 双極性障害の患者ではうつ状態から混合状態/躁状態に移行するおそれがあることから、うつ症状のある患者に対して本剤の投与を検討する場合には、患者の精神系疾患歴、自殺、双極性障害及びうつ病の家族歴等から双極性障害の可能性がないか評価すること。[9.1.2 参照]
- 8.7 通常量の本剤を服用していた精神病性障害の既往がない患者において、幻覚、妄想等の症状が報告されている。これらの症状があらわれた場合には本剤の投与を中止すること。
- 8.8 通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往がない患者において、躁病等が報告されている。これらの症状があらわれた場合には本剤との関連の可能性を考慮し、必要に応じて減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 8.9 自殺念慮や自殺行為があらわれることがあるので、患者の状態を注意深く観察すること。また、患者及び保護者又はそれに代わる適切な者に対し、これらの症状・行為があらわれた場合には、速やかに医療機関に連絡するよう指導すること。
- 8.10 攻撃性、敵意はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性、敵意の発現や悪化が報告されている。投与中は、攻撃的行動、敵意の発現又は悪化について観察すること。
- 8.11 本剤の投与により体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。本剤の投与中は患児の成長に注意し、身長や体重の増加が思わしくないときは、投与の中断等を考慮すること。
- 8.12 治療の目的以外には使用しないこと。また、医療目的外使用を防止するため、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[11.1.4 参照],[14.2.2 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 高度の腎機能障害のある患者又は透析患者
本剤の活性体であるd-アンフェタミンの血中濃度が上昇するおそれがある。[7.2 参照],[13.2 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。出生前又は出生後早期に、本剤の活性体であるアンフェタミンの臨床用量相当量を曝露したげっ歯類において、出生児に学習障害、記憶障害若しくは自発運動量の変化等の長期の神経行動学的変化、発育遅延又は生殖能への影響が認められている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。[5.2 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。高血圧クリーゼが起こるおそれがある。また、死亡に至るおそれがある。 |
神経外モノアミン濃度が高まると考えられる。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の作用が増強することがある。 |
本剤の活性体であるd-アンフェタミンの腎排泄が抑制され、半減期が延長する。 |
|
本剤の作用が減弱することがある。 |
本剤の活性体であるd-アンフェタミンの腎排泄が促進され、半減期が短縮する。 |
|
まれにセロトニン症候群が起こることがある。 |
本剤のセロトニン再取り込み阻害作用及び神経終末からのセロトニン放出促進により、セロトニン作用が増強すると考えられる。 |
|
メチルフェニデート塩酸塩を投与中の患者には本剤の投与を避けることが望ましい。本剤の作用が増強するおそれがある。 |
相加作用のおそれがある。 |
|
**本剤が線条体におけるイオフルパン(123I)の集積低下の原因となる可能性がある。画像を評価する際に留意すること。 |
**本剤の活性体であるd-アンフェタミンがイオフルパン(123I)のドパミントランスポーターへの結合を低下させ、検査結果に干渉するおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(顔面蒼白、呼吸困難、そう痒等)があらわれることがある。
- 11.1.2 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
- 11.1.3 心筋症(頻度不明)
-
11.1.4 依存性(頻度不明)
不適切な使用により精神的依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し、慎重に投与すること。[8.12 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
過敏症 |
発疹 |
過敏症、蕁麻疹、血管浮腫 |
||
循環器 |
頻脈 |
血圧上昇、動悸 |
レイノー現象 |
|
精神神経系 |
不眠(45.3%)、頭痛、めまい |
易刺激性、チック、眠気、感情不安定、激越 |
振戦、怒り、不安 |
多弁、リビドー減退、うつ病、不快気分、多幸症、歯ぎしり、自傷性皮膚症、精神病性障害、躁病、幻覚、攻撃性、落ち着きのなさ、精神運動亢進、痙攣、ジスキネジア、味覚異常 |
消化器 |
食欲減退(79.1%)、悪心、腹痛、下痢、嘔吐 |
便秘、口内乾燥 |
腹部不快感 |
|
その他 |
体重減少(25.6%) |
疲労感 |
*霧視、散瞳、呼吸困難、好酸球性肝炎、多汗症、胸痛、びくびく感、発熱、勃起不全、鼻出血、脱毛症 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
急性過量投与の症状は、落ち着きのなさ、振戦、反射亢進、頻呼吸、錯乱、攻撃性、幻覚、パニック状態、異常高熱、横紋筋融解等である。セロトニン症候群の発現も報告されている。通常、疲労及び抑うつは中枢神経系刺激後に生じる。心血管系への影響として不整脈、高血圧あるいは低血圧、循環虚脱等があらわれる。また、胃腸症状として悪心、嘔吐、下痢、腹部仙痛等があらわれる。致死的な中毒を起こす前には、通常、痙攣及び昏睡があらわれる。
-
13.2 処置
治療の際には、本剤の作用が長期にわたり持続することを考慮する。なお、本剤及び本剤の活性体であるd-アンフェタミンは透析で除去されない。[7.2 参照],[9.2.1 参照]
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
PTP包装から取り出した無包装状態では、吸湿により品質に影響を及ぼすことが認められたため、分包しないこと。
14.2 薬剤交付時の注意
- 14.2.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
- 14.2.2 本剤の投与にあたっては、本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導すること。[8.12 参照]
- 14.2.3 本剤が不要となった場合には、医療機関又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分又は交感神経刺激アミン(メタンフェタミン、メチルフェニデート、ノルアドレナリン、アドレナリン、ドパミン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 重篤な心血管障害のある患者[血圧又は心拍数を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。][8.5 参照]
- 2.3 甲状腺機能亢進のある患者[循環器系に影響を及ぼすことがある。]
- 2.4 過度の不安、緊張、興奮性のある患者[中枢神経刺激作用により症状を悪化させることがある。]
- 2.5 運動性チックのある患者、Tourette症候群又はその既往歴・家族歴のある患者[症状を悪化又は誘発させることがある。]
- 2.6 薬物乱用の既往歴のある患者[慢性的乱用により過度の耐性及び様々な程度の異常行動を伴う精神的依存を生じるおそれがある。]
- 2.7 閉塞隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
- 2.8 褐色細胞腫又はパラガングリオーマのある患者[血圧を上昇させるおそれがある。]
- 2.9 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与中止後2週間以内の患者[高血圧クリーゼに至るおそれがある。][10.1 参照]
4. 効能・効果
小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)
5. 効能・効果に関連する注意
- 5.1 本剤の使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用すること。
- 5.2 本剤の6歳未満及び18歳以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
- 5.3 本剤による薬物治療を18歳未満で開始した患者において、18歳以降も継続して本剤を投与する場合には、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に投与するとともに、定期的に本剤の有効性及び安全性を評価し、有用性が認められない場合には、投与中止を考慮し、漫然と投与しないこと。
-
5.4 AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM※)等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
※:Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
6. 用法・用量
通常、小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口投与する。症状により、1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行うこと。
7. 用法・用量に関連する注意
- 7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
- 7.2 高度の腎機能障害のある患者(GFR30mL/min/1.73m2未満)には、1日用量として50mgを超えて投与しないこと。また、透析患者又はGFR15mL/min/1.73m2未満の患者では、更に低用量の投与を考慮し、増量に際しては患者の状態を十分に観察すること。[9.2.1 参照],[13.2 参照],[16.6.1 参照]
- 7.3 不眠があらわれるおそれがあるため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けること。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者及び保護者又はそれに代わる適切な者に対して、本剤の治療上の位置づけ、依存性等を含む本剤のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用方法について指導すること。
- 8.2 本剤を長期間投与する場合には、個々の患者に対して定期的に休薬期間を設定して有用性の再評価を実施すること。
- 8.3 まれに視覚障害の症状(調節障害、霧視)が報告されている。視覚障害が認められた場合には、眼科検査を実施し、必要に応じて投与を中断又は中止すること。
- 8.4 めまい、眠気、視覚障害等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
-
8.5 本剤の国内外臨床試験において0~16.7%に血圧上昇(20mmHg以上)、7.4~26.5%に脈拍数増加(20bpm以上)が認められた。本剤は血圧又は心拍数に影響を与えることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は以下の点に注意すること。[2.2 参照],[9.1.1 参照]
- 8.5.1 心血管系に対する影響を観察するため、本剤投与開始前及び投与期間中は、定期的に心拍数(脈拍数)及び血圧を測定すること。
- 8.5.2 本剤を心血管障害のある患者に投与する際は、循環器を専門とする医師に相談するなど、慎重に投与の可否を検討すること。
- 8.5.3 患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、又はそのおそれがある患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。また、本剤投与中に労作性胸痛、原因不明の失神、又は他の心疾患を示唆する症状を示した場合は、直ちに心血管系の状態を評価し、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 8.6 双極性障害の患者ではうつ状態から混合状態/躁状態に移行するおそれがあることから、うつ症状のある患者に対して本剤の投与を検討する場合には、患者の精神系疾患歴、自殺、双極性障害及びうつ病の家族歴等から双極性障害の可能性がないか評価すること。[9.1.2 参照]
- 8.7 通常量の本剤を服用していた精神病性障害の既往がない患者において、幻覚、妄想等の症状が報告されている。これらの症状があらわれた場合には本剤の投与を中止すること。
- 8.8 通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往がない患者において、躁病等が報告されている。これらの症状があらわれた場合には本剤との関連の可能性を考慮し、必要に応じて減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 8.9 自殺念慮や自殺行為があらわれることがあるので、患者の状態を注意深く観察すること。また、患者及び保護者又はそれに代わる適切な者に対し、これらの症状・行為があらわれた場合には、速やかに医療機関に連絡するよう指導すること。
- 8.10 攻撃性、敵意はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性、敵意の発現や悪化が報告されている。投与中は、攻撃的行動、敵意の発現又は悪化について観察すること。
- 8.11 本剤の投与により体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。本剤の投与中は患児の成長に注意し、身長や体重の増加が思わしくないときは、投与の中断等を考慮すること。
- 8.12 治療の目的以外には使用しないこと。また、医療目的外使用を防止するため、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[11.1.4 参照],[14.2.2 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 高度の腎機能障害のある患者又は透析患者
本剤の活性体であるd-アンフェタミンの血中濃度が上昇するおそれがある。[7.2 参照],[13.2 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。出生前又は出生後早期に、本剤の活性体であるアンフェタミンの臨床用量相当量を曝露したげっ歯類において、出生児に学習障害、記憶障害若しくは自発運動量の変化等の長期の神経行動学的変化、発育遅延又は生殖能への影響が認められている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。[5.2 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者には本剤を投与しないこと。高血圧クリーゼが起こるおそれがある。また、死亡に至るおそれがある。 |
神経外モノアミン濃度が高まると考えられる。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の作用が増強することがある。 |
本剤の活性体であるd-アンフェタミンの腎排泄が抑制され、半減期が延長する。 |
|
本剤の作用が減弱することがある。 |
本剤の活性体であるd-アンフェタミンの腎排泄が促進され、半減期が短縮する。 |
|
まれにセロトニン症候群が起こることがある。 |
本剤のセロトニン再取り込み阻害作用及び神経終末からのセロトニン放出促進により、セロトニン作用が増強すると考えられる。 |
|
メチルフェニデート塩酸塩を投与中の患者には本剤の投与を避けることが望ましい。本剤の作用が増強するおそれがある。 |
相加作用のおそれがある。 |
|
**本剤が線条体におけるイオフルパン(123I)の集積低下の原因となる可能性がある。画像を評価する際に留意すること。 |
**本剤の活性体であるd-アンフェタミンがイオフルパン(123I)のドパミントランスポーターへの結合を低下させ、検査結果に干渉するおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(顔面蒼白、呼吸困難、そう痒等)があらわれることがある。
- 11.1.2 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
- 11.1.3 心筋症(頻度不明)
-
11.1.4 依存性(頻度不明)
不適切な使用により精神的依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し、慎重に投与すること。[8.12 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
過敏症 |
発疹 |
過敏症、蕁麻疹、血管浮腫 |
||
循環器 |
頻脈 |
血圧上昇、動悸 |
レイノー現象 |
|
精神神経系 |
不眠(45.3%)、頭痛、めまい |
易刺激性、チック、眠気、感情不安定、激越 |
振戦、怒り、不安 |
多弁、リビドー減退、うつ病、不快気分、多幸症、歯ぎしり、自傷性皮膚症、精神病性障害、躁病、幻覚、攻撃性、落ち着きのなさ、精神運動亢進、痙攣、ジスキネジア、味覚異常 |
消化器 |
食欲減退(79.1%)、悪心、腹痛、下痢、嘔吐 |
便秘、口内乾燥 |
腹部不快感 |
|
その他 |
体重減少(25.6%) |
疲労感 |
*霧視、散瞳、呼吸困難、好酸球性肝炎、多汗症、胸痛、びくびく感、発熱、勃起不全、鼻出血、脱毛症 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
急性過量投与の症状は、落ち着きのなさ、振戦、反射亢進、頻呼吸、錯乱、攻撃性、幻覚、パニック状態、異常高熱、横紋筋融解等である。セロトニン症候群の発現も報告されている。通常、疲労及び抑うつは中枢神経系刺激後に生じる。心血管系への影響として不整脈、高血圧あるいは低血圧、循環虚脱等があらわれる。また、胃腸症状として悪心、嘔吐、下痢、腹部仙痛等があらわれる。致死的な中毒を起こす前には、通常、痙攣及び昏睡があらわれる。
-
13.2 処置
治療の際には、本剤の作用が長期にわたり持続することを考慮する。なお、本剤及び本剤の活性体であるd-アンフェタミンは透析で除去されない。[7.2 参照],[9.2.1 参照]
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
PTP包装から取り出した無包装状態では、吸湿により品質に影響を及ぼすことが認められたため、分包しないこと。
14.2 薬剤交付時の注意
- 14.2.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
- 14.2.2 本剤の投与にあたっては、本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導すること。[8.12 参照]
- 14.2.3 本剤が不要となった場合には、医療機関又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。