薬効分類名選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)
一般的名称エスシタロプラムシュウ酸塩錠
エスシタロプラム錠10mg「タカタ」、エスシタロプラム錠20mg「タカタ」
えすしたろぷらむじょう10mg「たかた」、えすしたろぷらむじょう20mg「たかた」
Escitalopram Tablets“TAKATA”, Escitalopram Tablets“TAKATA”
製造販売元/高田製薬株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
- セロトニン作用薬
- [11.1.3 参照]
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。これらの薬物を併用する際には観察を十分に行うこと。
本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、セロトニン作用が増強することがある。
- メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
- [11.1.3 参照]
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。これらの薬物を併用する際には観察を十分に行うこと。
メチルチオニニウム塩化物水和物はMAO阻害作用を有するため、セロトニン作用が増強される。
- 三環系抗うつ剤
- フェノチアジン系抗精神病剤
- リスペリドン
- ブチロフェノン系抗精神病剤
- 抗不整脈剤
- [16.7.1 参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、これらの薬剤を減量するなど注意すること。
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素であるCYP2D6を阻害することによると考えられる。
- β遮断剤
- [16.7.1 参照]
メトプロロールの血中濃度が上昇するおそれがあるので、メトプロロールを減量するなど注意すること。
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素であるCYP2D6を阻害することによると考えられる。
- シメチジン
- [16.7.1 参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量するなど注意すること。
シメチジンが本剤の代謝酵素を阻害することによると考えられる。
- オメプラゾール
- ランソプラゾール
- チクロピジン塩酸塩
- [16.7.1 参照]
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量するなど注意すること。
これらの薬剤が本剤の代謝酵素であるCYP2C19を阻害することによると考えられる。
- ワルファリンカリウム
- [16.7.2 参照]
本剤のラセミ体であるシタロプラムとワルファリンとの併用により、ワルファリンのプロトロンビン時間が軽度延長(約5%)したとの報告がある。
本剤の投与を開始もしくは中止する場合は、プロトロンビン時間を慎重にモニターすること。
機序は不明である。
- 出血傾向が増強する薬剤
- [9.1.8 参照]
出血傾向が増強することがある。
SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増強することがある。
- アルコール(飲酒)
本剤服用中は飲酒を避けることが望ましい。
他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。
- QT延長を起こすことが知られている薬剤
- [9.1.1 参照],[11.1.4 参照]
QT延長を起こすおそれがある。
併用によりQT延長作用が相加的に増強するおそれがある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者[10.1 参照],[11.1.3 参照]
- 2.3 ピモジドを投与中の患者[10.1 参照],[11.1.4 参照],[16.7.2 参照]
- 2.4 QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)[心室頻拍(torsade de pointesを含む)、心電図QT間隔の過度な延長を起こすことがある。][8.7 参照],[11.1.4 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 5.1 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[15.1.1 参照]
-
〈うつ病・うつ状態〉
- 5.2 本剤を12歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7.2 参照]
- 〈社会不安障害〉
6. 用法及び用量
通常、成人にはエスシタロプラムとして10mgを1日1回夕食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行い、1日最高用量は20mgを超えないこととする。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら投与すること。
- 7.2 肝機能障害患者、高齢者、遺伝的にCYP2C19の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血中濃度が上昇し、QT延長等の副作用が発現しやすいおそれがあるため、10mgを上限とすることが望ましい。また、投与に際しては患者の状態を注意深く観察し、慎重に投与すること。[8.7 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.3 参照],[9.8 参照],[11.1.4 参照],[16.1.1 参照],[16.1.2 参照],[16.5 参照],[16.6.2 参照],[16.6.3 参照],[16.6.4 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[5.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[15.1.1 参照]
- 8.2 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]
- 8.3 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[15.1.1 参照]
- 8.4 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]
- 8.5 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。
- 8.6 投与中止(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚、頭痛及び悪心等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。
- 8.7 本剤投与によりQT延長がみられていることから、心血管系障害を有する患者に対しては、本剤の投与を開始する前に心血管系の状態に注意を払うこと。[2.4 参照],[7.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 QT延長を起こすリスクのある患者
- 9.1.2 CYP2C19の活性が遺伝的に欠損している患者
-
9.1.3 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.4 参照],[15.1.1 参照]
-
9.1.4 躁うつ病患者
躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[15.1.1 参照]
-
9.1.5 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者
精神症状が増悪することがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.6 参照]
-
9.1.6 衝動性が高い併存障害を有する患者
精神症状が増悪することがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照]
-
9.1.7 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣発作を起こすことがある。[11.1.1 参照]
-
9.1.8 出血の危険性を高める薬剤を併用している患者、出血傾向又は出血性素因のある患者
出血傾向が増強するおそれがある。[10.2 参照]
-
9.1.9 閉塞隅角緑内障の患者
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 高度の腎機能障害のある患者
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。[7.2 参照],[16.6.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 9.5.1 生殖発生毒性試験(ラット)において、臨床曝露量を超える高い曝露により胎児毒性(体重減少、骨化遅延)及び出生児の死亡率の増加が認められた。なお、動物実験(ラット)において、催奇形作用は認められていない。
- 9.5.2 本剤のラセミ体であるシタロプラムの生殖発生毒性試験(ラット)において、心血管系の異常を有する胎児数の増加が認められたが、再試験においては認められなかった。
- 9.5.3 妊娠末期に本剤あるいは他のSSRI、SNRIを投与された妊婦から出生した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告がある。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、振戦、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されている。
- 9.5.4 海外の疫学調査において、妊娠中に本剤のラセミ体であるシタロプラムを含む他のSSRIを投与された妊婦から出生した新生児において、新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加したとの報告がある1) ,2) 。このうち1つの調査では、妊娠34週以降に生まれた新生児における新生児遷延性肺高血圧症発生のリスク比は、妊娠早期の投与では2.4(95%信頼区間1.2-4.3)、妊娠早期及び後期の投与では3.6(95%信頼区間1.2-8.3)であった2) 。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.8 高齢者
用量に留意して、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。高齢者での薬物動態試験で、血中濃度が高い傾向が認められている。[7.2 参照],[16.6.3 参照]
10. 相互作用
- 本剤は主にCYP2C19で代謝され、CYP2D6及びCYP3A4も代謝に関与している。[16.4.1 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
|
セロトニン症候群があらわれることがある。MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者には投与しないこと。また、本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合には、14日間以上の間隔をあけること。 |
セロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が高まると考えられる。 |
|
本剤のラセミ体であるシタロプラムとピモジドとの併用により、QT延長が発現したとの報告がある。 |
機序は不明である。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
|
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。これらの薬物を併用する際には観察を十分に行うこと。 |
本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、セロトニン作用が増強することがある。 |
|
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。これらの薬物を併用する際には観察を十分に行うこと。 |
メチルチオニニウム塩化物水和物はMAO阻害作用を有するため、セロトニン作用が増強される。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、これらの薬剤を減量するなど注意すること。 |
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素であるCYP2D6を阻害することによると考えられる。 |
|
メトプロロールの血中濃度が上昇するおそれがあるので、メトプロロールを減量するなど注意すること。 |
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素であるCYP2D6を阻害することによると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量するなど注意すること。 |
シメチジンが本剤の代謝酵素を阻害することによると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量するなど注意すること。 |
これらの薬剤が本剤の代謝酵素であるCYP2C19を阻害することによると考えられる。 |
|
本剤のラセミ体であるシタロプラムとワルファリンとの併用により、ワルファリンのプロトロンビン時間が軽度延長(約5%)したとの報告がある。 |
機序は不明である。 |
|
出血傾向が増強することがある。 |
SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増強することがある。 |
本剤服用中は飲酒を避けることが望ましい。 |
他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。 |
|
|
QT延長を起こすおそれがある。 |
併用によりQT延長作用が相加的に増強するおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
- 11.1.1 痙攣(0.1%)
-
11.1.2 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、頭痛、集中力の欠如、記憶障害、錯乱、幻覚、痙攣、失神等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
-
11.1.3 セロトニン症候群(頻度不明)
不安、焦燥、興奮、振戦、ミオクローヌス、高熱等のセロトニン症候群があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。[2.2 参照],[10.1 参照],[10.2 参照]
-
11.1.4 QT延長(頻度不明)、心室頻拍(torsade de pointesを含む)(頻度不明)
[2.3 参照],[2.4 参照],[7.2 参照],[8.7 参照],[9.1.1 参照],[10.1 参照],[10.2 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
全身症状 |
倦怠感 |
異常感 |
無力症、浮腫、熱感、発熱、悪寒、疲労、体重増加、体重減少 |
|
過敏症 |
発疹、湿疹、蕁麻疹、そう痒 |
アナフィラキシー反応、血管浮腫 |
||
精神 |
傾眠(22.6%)、浮動性めまい、頭痛 |
あくび、不眠症、体位性めまい、感覚鈍麻、易刺激性(いらいら感、焦燥) |
アカシジア、睡眠障害、異常夢(悪夢を含む)、激越、不安、錯乱状態、躁病、落ち着きのなさ、錯感覚(ピリピリ感等)、振戦、リビドー減退、歯ぎしり |
パニック発作、精神運動不穏、失神、幻覚、神経過敏、離人症、ジスキネジー、運動障害、無オルガズム症 |
消化器 |
悪心(20.7%)、口渇 |
腹部不快感、下痢、食欲減退、腹痛、嘔吐、便秘 |
腹部膨満、胃炎、食欲亢進、消化不良 |
|
循環器 |
動悸 |
起立性低血圧、QT延長 |
頻脈、徐脈 |
|
血液 |
赤血球減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、白血球増加、血小板増加、血小板減少、鼻出血 |
出血傾向(斑状出血、消化管出血等) |
||
肝臓 |
AST・ALT・Al-P・γ-GTP・ビリルビンの上昇等の肝機能検査値異常 |
肝炎 |
||
筋骨格系 |
関節痛、筋肉痛、肩こり、こわばり |
|||
泌尿器・ |
排尿困難、尿蛋白陽性、射精障害 |
頻尿、尿閉、不正出血、勃起不全、射精遅延 |
持続勃起症、月経過多 |
|
*その他 |
回転性めまい、耳鳴、多汗症 |
副鼻腔炎、味覚異常、脱毛、コレステロール上昇、血中ナトリウム低下、乳汁漏出、胸部不快感、寝汗、羞明、霧視、過換気、尿糖陽性 |
視覚異常、散瞳、高プロラクチン血症 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照]
- 15.1.2 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
- 15.1.3 海外で実施された臨床試験において、本剤を含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤が精子特性を変化させ、受精率に影響を与える可能性が報告されている。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者[10.1 参照],[11.1.3 参照]
- 2.3 ピモジドを投与中の患者[10.1 参照],[11.1.4 参照],[16.7.2 参照]
- 2.4 QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)[心室頻拍(torsade de pointesを含む)、心電図QT間隔の過度な延長を起こすことがある。][8.7 参照],[11.1.4 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 5.1 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[15.1.1 参照]
-
〈うつ病・うつ状態〉
- 5.2 本剤を12歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7.2 参照]
- 〈社会不安障害〉
6. 用法及び用量
通常、成人にはエスシタロプラムとして10mgを1日1回夕食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて行い、1日最高用量は20mgを超えないこととする。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 本剤の投与量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら投与すること。
- 7.2 肝機能障害患者、高齢者、遺伝的にCYP2C19の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血中濃度が上昇し、QT延長等の副作用が発現しやすいおそれがあるため、10mgを上限とすることが望ましい。また、投与に際しては患者の状態を注意深く観察し、慎重に投与すること。[8.7 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.3 参照],[9.8 参照],[11.1.4 参照],[16.1.1 参照],[16.1.2 参照],[16.5 参照],[16.6.2 参照],[16.6.3 参照],[16.6.4 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期ならびに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[5.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[15.1.1 参照]
- 8.2 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]
- 8.3 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[15.1.1 参照]
- 8.4 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]
- 8.5 眠気、めまい等があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。
- 8.6 投与中止(突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚、頭痛及び悪心等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。
- 8.7 本剤投与によりQT延長がみられていることから、心血管系障害を有する患者に対しては、本剤の投与を開始する前に心血管系の状態に注意を払うこと。[2.4 参照],[7.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 QT延長を起こすリスクのある患者
- 9.1.2 CYP2C19の活性が遺伝的に欠損している患者
-
9.1.3 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者
自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.4 参照],[15.1.1 参照]
-
9.1.4 躁うつ病患者
躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[15.1.1 参照]
-
9.1.5 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者
精神症状が増悪することがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.6 参照]
-
9.1.6 衝動性が高い併存障害を有する患者
精神症状が増悪することがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照]
-
9.1.7 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣発作を起こすことがある。[11.1.1 参照]
-
9.1.8 出血の危険性を高める薬剤を併用している患者、出血傾向又は出血性素因のある患者
出血傾向が増強するおそれがある。[10.2 参照]
-
9.1.9 閉塞隅角緑内障の患者
眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 高度の腎機能障害のある患者
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。[7.2 参照],[16.6.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 9.5.1 生殖発生毒性試験(ラット)において、臨床曝露量を超える高い曝露により胎児毒性(体重減少、骨化遅延)及び出生児の死亡率の増加が認められた。なお、動物実験(ラット)において、催奇形作用は認められていない。
- 9.5.2 本剤のラセミ体であるシタロプラムの生殖発生毒性試験(ラット)において、心血管系の異常を有する胎児数の増加が認められたが、再試験においては認められなかった。
- 9.5.3 妊娠末期に本剤あるいは他のSSRI、SNRIを投与された妊婦から出生した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告がある。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、振戦、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されている。
- 9.5.4 海外の疫学調査において、妊娠中に本剤のラセミ体であるシタロプラムを含む他のSSRIを投与された妊婦から出生した新生児において、新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加したとの報告がある1) ,2) 。このうち1つの調査では、妊娠34週以降に生まれた新生児における新生児遷延性肺高血圧症発生のリスク比は、妊娠早期の投与では2.4(95%信頼区間1.2-4.3)、妊娠早期及び後期の投与では3.6(95%信頼区間1.2-8.3)であった2) 。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.8 高齢者
用量に留意して、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。高齢者での薬物動態試験で、血中濃度が高い傾向が認められている。[7.2 参照],[16.6.3 参照]
10. 相互作用
- 本剤は主にCYP2C19で代謝され、CYP2D6及びCYP3A4も代謝に関与している。[16.4.1 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
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セロトニン症候群があらわれることがある。MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者には投与しないこと。また、本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合には、14日間以上の間隔をあけること。 |
セロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が高まると考えられる。 |
|
本剤のラセミ体であるシタロプラムとピモジドとの併用により、QT延長が発現したとの報告がある。 |
機序は不明である。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
|
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。これらの薬物を併用する際には観察を十分に行うこと。 |
本剤はセロトニン再取り込み阻害作用を有するため、併用により、セロトニン作用が増強することがある。 |
|
セロトニン症候群等のセロトニン作用による症状があらわれることがある。これらの薬物を併用する際には観察を十分に行うこと。 |
メチルチオニニウム塩化物水和物はMAO阻害作用を有するため、セロトニン作用が増強される。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、これらの薬剤を減量するなど注意すること。 |
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素であるCYP2D6を阻害することによると考えられる。 |
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メトプロロールの血中濃度が上昇するおそれがあるので、メトプロロールを減量するなど注意すること。 |
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素であるCYP2D6を阻害することによると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量するなど注意すること。 |
シメチジンが本剤の代謝酵素を阻害することによると考えられる。 |
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本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤を減量するなど注意すること。 |
これらの薬剤が本剤の代謝酵素であるCYP2C19を阻害することによると考えられる。 |
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本剤のラセミ体であるシタロプラムとワルファリンとの併用により、ワルファリンのプロトロンビン時間が軽度延長(約5%)したとの報告がある。 |
機序は不明である。 |
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出血傾向が増強することがある。 |
SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増強することがある。 |
本剤服用中は飲酒を避けることが望ましい。 |
他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。 |
|
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QT延長を起こすおそれがある。 |
併用によりQT延長作用が相加的に増強するおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
- 11.1.1 痙攣(0.1%)
-
11.1.2 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、頭痛、集中力の欠如、記憶障害、錯乱、幻覚、痙攣、失神等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
-
11.1.3 セロトニン症候群(頻度不明)
不安、焦燥、興奮、振戦、ミオクローヌス、高熱等のセロトニン症候群があらわれることがある。セロトニン作用薬との併用時に発現する可能性が高くなるため、特に注意すること。異常が認められた場合には投与を中止し、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。[2.2 参照],[10.1 参照],[10.2 参照]
-
11.1.4 QT延長(頻度不明)、心室頻拍(torsade de pointesを含む)(頻度不明)
[2.3 参照],[2.4 参照],[7.2 参照],[8.7 参照],[9.1.1 参照],[10.1 参照],[10.2 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
全身症状 |
倦怠感 |
異常感 |
無力症、浮腫、熱感、発熱、悪寒、疲労、体重増加、体重減少 |
|
過敏症 |
発疹、湿疹、蕁麻疹、そう痒 |
アナフィラキシー反応、血管浮腫 |
||
精神 |
傾眠(22.6%)、浮動性めまい、頭痛 |
あくび、不眠症、体位性めまい、感覚鈍麻、易刺激性(いらいら感、焦燥) |
アカシジア、睡眠障害、異常夢(悪夢を含む)、激越、不安、錯乱状態、躁病、落ち着きのなさ、錯感覚(ピリピリ感等)、振戦、リビドー減退、歯ぎしり |
パニック発作、精神運動不穏、失神、幻覚、神経過敏、離人症、ジスキネジー、運動障害、無オルガズム症 |
消化器 |
悪心(20.7%)、口渇 |
腹部不快感、下痢、食欲減退、腹痛、嘔吐、便秘 |
腹部膨満、胃炎、食欲亢進、消化不良 |
|
循環器 |
動悸 |
起立性低血圧、QT延長 |
頻脈、徐脈 |
|
血液 |
赤血球減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、白血球増加、血小板増加、血小板減少、鼻出血 |
出血傾向(斑状出血、消化管出血等) |
||
肝臓 |
AST・ALT・Al-P・γ-GTP・ビリルビンの上昇等の肝機能検査値異常 |
肝炎 |
||
筋骨格系 |
関節痛、筋肉痛、肩こり、こわばり |
|||
泌尿器・ |
排尿困難、尿蛋白陽性、射精障害 |
頻尿、尿閉、不正出血、勃起不全、射精遅延 |
持続勃起症、月経過多 |
|
*その他 |
回転性めまい、耳鳴、多汗症 |
副鼻腔炎、味覚異常、脱毛、コレステロール上昇、血中ナトリウム低下、乳汁漏出、胸部不快感、寝汗、羞明、霧視、過換気、尿糖陽性 |
視覚異常、散瞳、高プロラクチン血症 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照]
- 15.1.2 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
- 15.1.3 海外で実施された臨床試験において、本剤を含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤が精子特性を変化させ、受精率に影響を与える可能性が報告されている。