薬効分類名注意欠陥/多動性障害治療剤(選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害剤)

一般的名称アトモキセチン塩酸塩

アトモキセチンカプセル5mg「日医工」、アトモキセチンカプセル10mg「日医工」、アトモキセチンカプセル25mg「日医工」、アトモキセチンカプセル40mg「日医工」

あともきせちんかぷせる5mg「にちいこう」、あともきせちんかぷせる10mg「にちいこう」、あともきせちんかぷせる25mg「にちいこう」、あともきせちんかぷせる40mg「にちいこう」

Atomoxetine Capsules, Atomoxetine Capsules, Atomoxetine Capsules, Atomoxetine Capsules

製造販売元/日医工株式会社

第1版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
胃腸・消化器系
5%以上
悪心(31.5%)食欲減退(19.9%)腹痛嘔吐便秘口渇
胃腸・消化器系
1~5%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
脳・神経
5%以上
頭痛(15.4%)傾眠(15.8%)浮動性めまい不眠症
脳・神経
1~5%未満
脳・神経
1%未満
早朝覚醒型不眠症気分変化振戦抑うつ気分錯感覚不安感覚鈍麻幻覚を含む感覚障害うつ病攻撃性リビドー減退チック激越落ち着きのなさ
脳・神経
頻度不明
びくびく感
免疫系
1~5%未満
免疫系
1%未満
心臓・血管
5%以上
心臓・血管
1~5%未満
心臓・血管
1%未満
心臓・血管
頻度不明
皮膚
1~5%未満
皮膚
1%未満
腎・尿路
1~5%未満
その他
5%以上
その他
1~5%未満
その他
頻度不明

併用注意

薬剤名等
臨床症状・措置方法

心拍数、血圧が上昇したとの報告があるので、注意して投与すること。

機序・危険因子

心血管系への作用を増強する可能性がある。

薬剤名等
  • β-受容体刺激剤(サルブタモール硫酸塩を除く)
臨床症状・措置方法

これらの薬剤の心拍数、血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

機序・危険因子

これらの薬剤の心血管系への作用を増強する可能性がある。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

本剤の血中濃度が上昇することがあるので、経過を観察しながら時間をかけて本剤を増量すること。

機序・危険因子

これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

薬剤名等
  • 昇圧作用を有する薬剤
臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

機序・危険因子

これらの薬剤の血圧への作用に影響する可能性がある。

薬剤名等
  • ノルアドレナリンに影響する薬剤
臨床症状・措置方法

これらの薬剤の作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

機序・危険因子

これらの薬剤のノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1 参照]
  3. 2.3 重篤な心血管障害のある患者[血圧又は心拍数を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。][8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]
  4. 2.4 褐色細胞腫又はパラガングリオーマ若しくはその既往歴のある患者[急激な血圧上昇及び心拍数増加の報告がある。]
  5. 2.5 閉塞隅角緑内障の患者[散瞳があらわれることがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

アトモキセチンカプセル5mg「日医工」

有効成分 1カプセル中
アトモキセチン塩酸塩   5.71mg
(アトモキセチンとして   5mg )
添加剤 部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体: 黄色三二酸化鉄、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン
アトモキセチンカプセル10mg「日医工」

有効成分 1カプセル中
アトモキセチン塩酸塩   11.43mg
(アトモキセチンとして   10mg )
添加剤 部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体:酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン
アトモキセチンカプセル25mg「日医工」

有効成分 1カプセル中
アトモキセチン塩酸塩   28.57mg
(アトモキセチンとして   25mg )
添加剤 部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体:青色二号、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン
アトモキセチンカプセル40mg「日医工」

有効成分 1カプセル中
アトモキセチン塩酸塩   45.71mg
(アトモキセチンとして   40mg )
添加剤 部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体:青色二号、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン

3.2 製剤の性状

アトモキセチンカプセル5mg「日医工」

剤形 硬カプセル
色調 キャップ:だいだい色
ボディ:だいだい色
外形
大きさ 3号カプセル
本体表示 アトモキセチン
5mg
日医工
包装コード 137
アトモキセチンカプセル10mg「日医工」

剤形 硬カプセル
色調 キャップ:白色不透明
ボディ:白色不透明
外形
大きさ 3号カプセル
本体表示 アトモキセチン
10mg
日医工
包装コード 138
アトモキセチンカプセル25mg「日医工」

剤形 硬カプセル
色調 キャップ:青色不透明
ボディ:白色不透明
外形
大きさ 3号カプセル
本体表示 アトモキセチン
25mg
日医工
包装コード 139
アトモキセチンカプセル40mg「日医工」

剤形 硬カプセル
色調 キャップ:青色不透明
ボディ:青色不透明
外形
大きさ 3号カプセル
本体表示 アトモキセチン
40mg
日医工
包装コード 140

4. 効能又は効果

注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 6歳未満の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]
  2. 5.2 AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM1) )等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。

    1) Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

6. 用法及び用量

  • 〈18歳未満の患者〉

    通常、18歳未満の患者には、アトモキセチンとして1日0.5mg/kgより開始し、その後1日0.8mg/kgとし、さらに1日1.2mg/kgまで増量した後、1日1.2~1.8mg/kgで維持する。
    ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日2回に分けて経口投与する。
    なお、症状により適宜増減するが、1日量は1.8mg/kg又は120mgのいずれか少ない量を超えないこと。

  • 〈18歳以上の患者〉

    通常、18歳以上の患者には、アトモキセチンとして1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80~120mgで維持する。
    ただし、1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日1回又は1日2回に分けて経口投与する。
    なお、症状により適宜増減するが、1日量は120mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 CYP2D6阻害作用を有する薬剤を投与中の患者又は遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすいおそれがあるため、投与に際しては忍容性に問題がない場合にのみ増量するなど、患者の状態を注意深く観察し、慎重に投与すること。[9.1.9 参照],[10.2 参照],[16.4.1 参照],[16.4.2 参照],[16.7.5 参照]
  2. 7.2 中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する患者においては、開始用量及び維持用量を通常の50%に減量すること。また、重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害を有する患者においては、開始用量及び維持用量を通常の25%に減量すること。[9.3 参照],[16.6.2 参照]

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者(小児の場合には患者及び保護者又はそれに代わる適切な者)に対して、本剤の治療上の位置づけ及び本剤投与による副作用発現等のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用方法について指導すること。
  2. 8.2 本剤を長期間投与する場合には、必要に応じて休薬期間を設定するなどして、定期的に有用性の再評価を実施すること。
  3. 8.3 臨床試験で本剤投与中の小児患者において、自殺念慮や関連行動が認められているため、本剤投与中の患者ではこれらの症状の発現について注意深く観察すること。[15.1.1 参照]
  4. 8.4 攻撃性、敵意はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性、敵意の発現や悪化が報告されている。投与中は、攻撃的行動、敵意の発現又は悪化について観察すること。[15.1.2 参照]
  5. 8.5 通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往歴がない患者において、幻覚等の精神病性又は躁病の症状が報告されている。このような症状の発現を認めたら、本剤との関連の可能性を考慮すること。投与中止が適切な場合もある。
  6. 8.6 眠気、めまい等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
  7. 8.7 心血管系に対する影響を観察するため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に、血圧及び心拍数(脈拍数)を測定すること。[2.3 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[15.1.3 参照]
  8. 8.8 本剤は血圧又は心拍数に影響を与えることがあるので、本剤を心血管障害のある患者に投与する際は、循環器を専門とする医師に相談するなど、慎重に投与の可否を検討すること。また、患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、若しくはその可能性が示唆される患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。[2.3 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[15.1.3 参照]
  9. 8.9 小児において本剤の投与初期に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。本剤の投与中は小児患者の成長に注意し、身長や体重の増加が思わしくないときは減量又は投与の中断等を考慮すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 痙攣発作又はその既往歴のある患者

    痙攣を起こすことがある。

  2. 9.1.2 心疾患(QT延長を含む)又はその既往歴のある患者

    症状を悪化又は再発させるおそれがある。[8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]

  3. 9.1.3 先天性QT延長症候群の患者又はQT延長の家族歴のある患者

    QT延長を起こすおそれがある。[8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]

  4. 9.1.4 高血圧又はその既往歴のある患者

    症状を悪化又は再発させるおそれがある。[8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]

  5. 9.1.5 脳血管障害又はその既往歴のある患者

    症状を悪化又は再発させるおそれがある。[8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]

  6. 9.1.6 起立性低血圧の既往歴のある患者

    本剤の投与による起立性低血圧の報告がある。

  7. 9.1.7 精神系疾患(精神病性障害、双極性障害)のある患者

    行動障害、思考障害又は躁病エピソードの症状が悪化するおそれがある。

  8. 9.1.8 排尿困難のある患者

    症状を悪化させるおそれがある。

  9. 9.1.9 遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)

    [7.1 参照],[16.4.2 参照]

9.2 腎機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。[7.2 参照],[16.6.2 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において胎盤通過性が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中への移行が認められている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児、6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。[5.1 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
  • MAO阻害剤
    • セレギリン塩酸塩(エフピー)
    • ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
    • サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
  • [2.2 参照]

両薬剤の作用が増強されることがある。MAO阻害剤の投与中止後に本剤を投与する場合には、2週間以上の間隔をあけること。また、本剤の投与中止後にMAO阻害剤を投与する場合は、2週間以上の間隔をあけること。

脳内モノアミン濃度が高まる可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

心拍数、血圧が上昇したとの報告があるので、注意して投与すること。

心血管系への作用を増強する可能性がある。

  • β-受容体刺激剤(サルブタモール硫酸塩を除く)

これらの薬剤の心拍数、血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

これらの薬剤の心血管系への作用を増強する可能性がある。

本剤の血中濃度が上昇することがあるので、経過を観察しながら時間をかけて本剤を増量すること。

これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

  • 昇圧作用を有する薬剤
    • ドパミン塩酸塩等

これらの薬剤の血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

これらの薬剤の血圧への作用に影響する可能性がある。

  • ノルアドレナリンに影響する薬剤
    • 三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)
    • 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
    • メチルフェニデート塩酸塩等

これらの薬剤の作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

これらの薬剤のノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 肝機能障害、黄疸、肝不全(いずれも頻度不明)

    肝機能検査値の上昇を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがある。

  2. 11.1.2 アナフィラキシー(頻度不明)

    血管神経性浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシーがあらわれることがある。

11.2 その他の副作用

5%以上

1~5%未満

1%未満

頻度不明

消化器

悪心(31.5%)、食欲減退(19.9%)、腹痛、嘔吐、便秘、口渇

下痢、消化不良、口内乾燥

鼓腸

精神神経系

頭痛(15.4%)、傾眠(15.8%)、浮動性めまい、不眠症

体位性めまい、睡眠障害、易刺激性、不快気分

早朝覚醒型不眠症、気分変化、振戦、抑うつ気分、錯感覚、不安、感覚鈍麻、幻覚を含む感覚障害、うつ病、攻撃性、リビドー減退、チック、激越、落ち着きのなさ

びくびく感

過敏症

そう痒症

発疹、蕁麻疹

循環器

動悸

頻脈、血圧上昇、心拍数増加

心電図QT延長、失神

レイノー現象、潮紅

皮膚

多汗症

皮膚炎

泌尿・生殖器

排尿困難、勃起不全、不規則月経

生殖器痛、尿閉、月経困難症、射精障害、前立腺炎、頻尿

持続勃起、勃起時疼痛、射精不能、精巣痛、オルガズム異常、尿意切迫

その他

体重減少

胸痛、無力症、疲労、ほてり、悪寒、味覚異常

結膜炎、胸部不快感、末梢冷感、冷感、筋痙縮

散瞳

副作用の発現頻度は小児はLYBD試験、LYBC試験、LYDA試験に基づき、成人はLYED試験、LYEH試験、LYEE試験、LYEK試験に基づき算出した。

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    過量投与時には、痙攣、QT延長、傾眠、興奮、運動亢進、異常行動、消化器症状、散瞳、頻脈、口渇、浮動性めまい、振戦及び血圧上昇等が認められている。また、本剤及び他剤を同時に過量投与した場合には、死亡例も報告されている。

  2. 13.2 処置

    本剤は蛋白結合率が高いため、透析は有効ではない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 14.1.2 眼球刺激性があるため、カプセル剤を開けて服用しないよう指導すること。カプセル内容物が眼球に付着した場合はすぐに水で洗浄し、医師に相談するよう指導すること。また、手やその他の付着した可能性のある箇所は、すぐ水で洗浄するよう指導すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 外国の小児及び青少年を対象としたプラセボ対照短期試験(AD/HD患者における11試験及び遺尿症患者における1試験の計12試験)の併合解析において、プラセボ投与群に対してアトモキセチン投与群では投与初期の自殺念慮のリスクが大きかったとの報告がある(アトモキセチン投与群5/1357(0.37%)、プラセボ投与群0/851(0%))。なお、これらの試験において既遂例は認められなかった。また、AD/HDに併存する精神系疾患は自殺念慮、自殺行動のリスクの増加に関連しているとの外国の報告がある。[8.3 参照]
  2. 15.1.2 外国の小児及び青少年を対象としたプラセボ対照短期試験(AD/HD患者における11試験)の併合解析において、攻撃的行動、敵意の発現率はアトモキセチン投与群21/1308(1.6%)、プラセボ投与群9/806(1.1%)であった。日本及び外国の成人を対象としたプラセボ対照短期試験(AD/HD患者における9試験)の併合解析において、攻撃的行動、敵意の発現率はアトモキセチン投与群6/1697(0.35%)、プラセボ投与群4/1560(0.26%)であった。[8.4 参照]
  3. 15.1.3 国内外の臨床試験データの併合解析において、小児及び成人の5.9~11.6%に血圧上昇(収縮期20mmHg以上、拡張期15mmHg以上)又は心拍数増加(20bpm以上)が認められたとの報告がある。[2.3 参照],[8.7 参照],[8.8 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照]

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 幼若ラットにアトモキセチン1、10及び50mg/kgを約75日間反復投与したところ、1mg/kg以上で性成熟のわずかな遅延、10mg/kg以上で精巣上体尾部重量の低下及び精巣上体中の精子数減少が見られたが、性成熟後の生殖能や受胎能に影響はなかった。ラットで生じたこれらの変化は軽度であったが、そのときの血漿中濃度(AUC)を臨床最大用量投与時(1.8mg/kg)のAUCと比較すると1mg/kgでは最大で0.2倍(CYP2D6通常活性、EM)又は0.02倍(CYP2D6活性欠損、PM)、10mg/kgでは最大で1.9倍(EM)又は0.2倍(PM)であり、臨床用量での安全域は確保されていない。なお、外国の小児及び青少年患者において、第二次性徴に対する影響を調べた臨床試験ではアトモキセチン投与の性成熟に対する影響は示唆されなかった。
  2. 15.2.2 妊娠ウサギに器官形成期を通じてアトモキセチンを経口投与した3試験のうち1試験において、最高用量の100mg/kgで生存胎児数の減少、早期吸収胚の増加、総頚動脈起始異常と鎖骨下動脈欠損の発現率の微増が認められたが、これらの変化は背景データの範囲内であった。この用量では軽度の体重増加の抑制及び摂餌量の低下等の母体毒性も認められており、このときのAUCは臨床最大用量投与時(1.8mg/kg)のAUCと比較すると2.6倍(EM)又は0.3倍(PM)であった。なお、これらの所見が認められたのは3試験のうち1試験であり、アトモキセチン投与との関連性及びヒトへの外挿性は不明である。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中あるいは投与中止後2週間以内の患者[10.1 参照]
  3. 2.3 重篤な心血管障害のある患者[血圧又は心拍数を上昇させ、症状を悪化させるおそれがある。][8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]
  4. 2.4 褐色細胞腫又はパラガングリオーマ若しくはその既往歴のある患者[急激な血圧上昇及び心拍数増加の報告がある。]
  5. 2.5 閉塞隅角緑内障の患者[散瞳があらわれることがある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

アトモキセチンカプセル5mg「日医工」

有効成分 1カプセル中
アトモキセチン塩酸塩   5.71mg
(アトモキセチンとして   5mg )
添加剤 部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体: 黄色三二酸化鉄、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン
アトモキセチンカプセル10mg「日医工」

有効成分 1カプセル中
アトモキセチン塩酸塩   11.43mg
(アトモキセチンとして   10mg )
添加剤 部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体:酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン
アトモキセチンカプセル25mg「日医工」

有効成分 1カプセル中
アトモキセチン塩酸塩   28.57mg
(アトモキセチンとして   25mg )
添加剤 部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体:青色二号、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン
アトモキセチンカプセル40mg「日医工」

有効成分 1カプセル中
アトモキセチン塩酸塩   45.71mg
(アトモキセチンとして   40mg )
添加剤 部分アルファー化デンプン、ジメチルポリシロキサン(内服用)
カプセル本体:青色二号、酸化チタン、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン

3.2 製剤の性状

アトモキセチンカプセル5mg「日医工」

剤形 硬カプセル
色調 キャップ:だいだい色
ボディ:だいだい色
外形
大きさ 3号カプセル
本体表示 アトモキセチン
5mg
日医工
包装コード 137
アトモキセチンカプセル10mg「日医工」

剤形 硬カプセル
色調 キャップ:白色不透明
ボディ:白色不透明
外形
大きさ 3号カプセル
本体表示 アトモキセチン
10mg
日医工
包装コード 138
アトモキセチンカプセル25mg「日医工」

剤形 硬カプセル
色調 キャップ:青色不透明
ボディ:白色不透明
外形
大きさ 3号カプセル
本体表示 アトモキセチン
25mg
日医工
包装コード 139
アトモキセチンカプセル40mg「日医工」

剤形 硬カプセル
色調 キャップ:青色不透明
ボディ:青色不透明
外形
大きさ 3号カプセル
本体表示 アトモキセチン
40mg
日医工
包装コード 140

4. 効能又は効果

注意欠陥/多動性障害(AD/HD)

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 6歳未満の患者における有効性及び安全性は確立していない。[9.7 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]
  2. 5.2 AD/HDの診断は、米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM1) )等の標準的で確立した診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。

    1) Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders

6. 用法及び用量

  • 〈18歳未満の患者〉

    通常、18歳未満の患者には、アトモキセチンとして1日0.5mg/kgより開始し、その後1日0.8mg/kgとし、さらに1日1.2mg/kgまで増量した後、1日1.2~1.8mg/kgで維持する。
    ただし、増量は1週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日2回に分けて経口投与する。
    なお、症状により適宜増減するが、1日量は1.8mg/kg又は120mgのいずれか少ない量を超えないこと。

  • 〈18歳以上の患者〉

    通常、18歳以上の患者には、アトモキセチンとして1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80~120mgで維持する。
    ただし、1日80mgまでの増量は1週間以上、その後の増量は2週間以上の間隔をあけて行うこととし、いずれの投与量においても1日1回又は1日2回に分けて経口投与する。
    なお、症状により適宜増減するが、1日量は120mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 CYP2D6阻害作用を有する薬剤を投与中の患者又は遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)では、本剤の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすいおそれがあるため、投与に際しては忍容性に問題がない場合にのみ増量するなど、患者の状態を注意深く観察し、慎重に投与すること。[9.1.9 参照],[10.2 参照],[16.4.1 参照],[16.4.2 参照],[16.7.5 参照]
  2. 7.2 中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害を有する患者においては、開始用量及び維持用量を通常の50%に減量すること。また、重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害を有する患者においては、開始用量及び維持用量を通常の25%に減量すること。[9.3 参照],[16.6.2 参照]

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤を投与する医師又は医療従事者は、投与前に患者(小児の場合には患者及び保護者又はそれに代わる適切な者)に対して、本剤の治療上の位置づけ及び本剤投与による副作用発現等のリスクについて、十分な情報を提供するとともに、適切な使用方法について指導すること。
  2. 8.2 本剤を長期間投与する場合には、必要に応じて休薬期間を設定するなどして、定期的に有用性の再評価を実施すること。
  3. 8.3 臨床試験で本剤投与中の小児患者において、自殺念慮や関連行動が認められているため、本剤投与中の患者ではこれらの症状の発現について注意深く観察すること。[15.1.1 参照]
  4. 8.4 攻撃性、敵意はAD/HDにおいてしばしば観察されるが、本剤の投与中にも攻撃性、敵意の発現や悪化が報告されている。投与中は、攻撃的行動、敵意の発現又は悪化について観察すること。[15.1.2 参照]
  5. 8.5 通常量の本剤を服用していた精神病性障害や躁病の既往歴がない患者において、幻覚等の精神病性又は躁病の症状が報告されている。このような症状の発現を認めたら、本剤との関連の可能性を考慮すること。投与中止が適切な場合もある。
  6. 8.6 眠気、めまい等が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
  7. 8.7 心血管系に対する影響を観察するため、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に、血圧及び心拍数(脈拍数)を測定すること。[2.3 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[15.1.3 参照]
  8. 8.8 本剤は血圧又は心拍数に影響を与えることがあるので、本剤を心血管障害のある患者に投与する際は、循環器を専門とする医師に相談するなど、慎重に投与の可否を検討すること。また、患者の心疾患に関する病歴、突然死や重篤な心疾患に関する家族歴等から、心臓に重篤ではないが異常が認められる、若しくはその可能性が示唆される患者に対して本剤の投与を検討する場合には、投与開始前に心電図検査等により心血管系の状態を評価すること。[2.3 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[15.1.3 参照]
  9. 8.9 小児において本剤の投与初期に体重増加の抑制、成長遅延が報告されている。本剤の投与中は小児患者の成長に注意し、身長や体重の増加が思わしくないときは減量又は投与の中断等を考慮すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 痙攣発作又はその既往歴のある患者

    痙攣を起こすことがある。

  2. 9.1.2 心疾患(QT延長を含む)又はその既往歴のある患者

    症状を悪化又は再発させるおそれがある。[8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]

  3. 9.1.3 先天性QT延長症候群の患者又はQT延長の家族歴のある患者

    QT延長を起こすおそれがある。[8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]

  4. 9.1.4 高血圧又はその既往歴のある患者

    症状を悪化又は再発させるおそれがある。[8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]

  5. 9.1.5 脳血管障害又はその既往歴のある患者

    症状を悪化又は再発させるおそれがある。[8.7 参照],[8.8 参照],[15.1.3 参照]

  6. 9.1.6 起立性低血圧の既往歴のある患者

    本剤の投与による起立性低血圧の報告がある。

  7. 9.1.7 精神系疾患(精神病性障害、双極性障害)のある患者

    行動障害、思考障害又は躁病エピソードの症状が悪化するおそれがある。

  8. 9.1.8 排尿困難のある患者

    症状を悪化させるおそれがある。

  9. 9.1.9 遺伝的にCYP2D6の活性が欠損していることが判明している患者(Poor Metabolizer)

    [7.1 参照],[16.4.2 参照]

9.2 腎機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

血中濃度が上昇するおそれがある。[7.2 参照],[16.6.2 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において胎盤通過性が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において乳汁中への移行が認められている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児、乳児、6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。[5.1 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]

9.8 高齢者

一般に生理機能が低下している。

10. 相互作用

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
  • MAO阻害剤
    • セレギリン塩酸塩(エフピー)
    • ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
    • サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
  • [2.2 参照]

両薬剤の作用が増強されることがある。MAO阻害剤の投与中止後に本剤を投与する場合には、2週間以上の間隔をあけること。また、本剤の投与中止後にMAO阻害剤を投与する場合は、2週間以上の間隔をあけること。

脳内モノアミン濃度が高まる可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

心拍数、血圧が上昇したとの報告があるので、注意して投与すること。

心血管系への作用を増強する可能性がある。

  • β-受容体刺激剤(サルブタモール硫酸塩を除く)

これらの薬剤の心拍数、血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

これらの薬剤の心血管系への作用を増強する可能性がある。

本剤の血中濃度が上昇することがあるので、経過を観察しながら時間をかけて本剤を増量すること。

これらの薬剤のCYP2D6阻害作用により本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

  • 昇圧作用を有する薬剤
    • ドパミン塩酸塩等

これらの薬剤の血圧上昇作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

これらの薬剤の血圧への作用に影響する可能性がある。

  • ノルアドレナリンに影響する薬剤
    • 三環系抗うつ剤(イミプラミン塩酸塩等)
    • 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
    • メチルフェニデート塩酸塩等

これらの薬剤の作用が増強するおそれがあるので、注意して投与すること。

これらの薬剤のノルアドレナリンへの作用を相加的又は相乗的に増強する可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 肝機能障害、黄疸、肝不全(いずれも頻度不明)

    肝機能検査値の上昇を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがある。

  2. 11.1.2 アナフィラキシー(頻度不明)

    血管神経性浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシーがあらわれることがある。

11.2 その他の副作用

5%以上

1~5%未満

1%未満

頻度不明

消化器

悪心(31.5%)、食欲減退(19.9%)、腹痛、嘔吐、便秘、口渇

下痢、消化不良、口内乾燥

鼓腸

精神神経系

頭痛(15.4%)、傾眠(15.8%)、浮動性めまい、不眠症

体位性めまい、睡眠障害、易刺激性、不快気分

早朝覚醒型不眠症、気分変化、振戦、抑うつ気分、錯感覚、不安、感覚鈍麻、幻覚を含む感覚障害、うつ病、攻撃性、リビドー減退、チック、激越、落ち着きのなさ

びくびく感

過敏症

そう痒症

発疹、蕁麻疹

循環器

動悸

頻脈、血圧上昇、心拍数増加

心電図QT延長、失神

レイノー現象、潮紅

皮膚

多汗症

皮膚炎

泌尿・生殖器

排尿困難、勃起不全、不規則月経

生殖器痛、尿閉、月経困難症、射精障害、前立腺炎、頻尿

持続勃起、勃起時疼痛、射精不能、精巣痛、オルガズム異常、尿意切迫

その他

体重減少

胸痛、無力症、疲労、ほてり、悪寒、味覚異常

結膜炎、胸部不快感、末梢冷感、冷感、筋痙縮

散瞳

副作用の発現頻度は小児はLYBD試験、LYBC試験、LYDA試験に基づき、成人はLYED試験、LYEH試験、LYEE試験、LYEK試験に基づき算出した。

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    過量投与時には、痙攣、QT延長、傾眠、興奮、運動亢進、異常行動、消化器症状、散瞳、頻脈、口渇、浮動性めまい、振戦及び血圧上昇等が認められている。また、本剤及び他剤を同時に過量投与した場合には、死亡例も報告されている。

  2. 13.2 処置

    本剤は蛋白結合率が高いため、透析は有効ではない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 14.1.2 眼球刺激性があるため、カプセル剤を開けて服用しないよう指導すること。カプセル内容物が眼球に付着した場合はすぐに水で洗浄し、医師に相談するよう指導すること。また、手やその他の付着した可能性のある箇所は、すぐ水で洗浄するよう指導すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 外国の小児及び青少年を対象としたプラセボ対照短期試験(AD/HD患者における11試験及び遺尿症患者における1試験の計12試験)の併合解析において、プラセボ投与群に対してアトモキセチン投与群では投与初期の自殺念慮のリスクが大きかったとの報告がある(アトモキセチン投与群5/1357(0.37%)、プラセボ投与群0/851(0%))。なお、これらの試験において既遂例は認められなかった。また、AD/HDに併存する精神系疾患は自殺念慮、自殺行動のリスクの増加に関連しているとの外国の報告がある。[8.3 参照]
  2. 15.1.2 外国の小児及び青少年を対象としたプラセボ対照短期試験(AD/HD患者における11試験)の併合解析において、攻撃的行動、敵意の発現率はアトモキセチン投与群21/1308(1.6%)、プラセボ投与群9/806(1.1%)であった。日本及び外国の成人を対象としたプラセボ対照短期試験(AD/HD患者における9試験)の併合解析において、攻撃的行動、敵意の発現率はアトモキセチン投与群6/1697(0.35%)、プラセボ投与群4/1560(0.26%)であった。[8.4 参照]
  3. 15.1.3 国内外の臨床試験データの併合解析において、小児及び成人の5.9~11.6%に血圧上昇(収縮期20mmHg以上、拡張期15mmHg以上)又は心拍数増加(20bpm以上)が認められたとの報告がある。[2.3 参照],[8.7 参照],[8.8 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照]

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 幼若ラットにアトモキセチン1、10及び50mg/kgを約75日間反復投与したところ、1mg/kg以上で性成熟のわずかな遅延、10mg/kg以上で精巣上体尾部重量の低下及び精巣上体中の精子数減少が見られたが、性成熟後の生殖能や受胎能に影響はなかった。ラットで生じたこれらの変化は軽度であったが、そのときの血漿中濃度(AUC)を臨床最大用量投与時(1.8mg/kg)のAUCと比較すると1mg/kgでは最大で0.2倍(CYP2D6通常活性、EM)又は0.02倍(CYP2D6活性欠損、PM)、10mg/kgでは最大で1.9倍(EM)又は0.2倍(PM)であり、臨床用量での安全域は確保されていない。なお、外国の小児及び青少年患者において、第二次性徴に対する影響を調べた臨床試験ではアトモキセチン投与の性成熟に対する影響は示唆されなかった。
  2. 15.2.2 妊娠ウサギに器官形成期を通じてアトモキセチンを経口投与した3試験のうち1試験において、最高用量の100mg/kgで生存胎児数の減少、早期吸収胚の増加、総頚動脈起始異常と鎖骨下動脈欠損の発現率の微増が認められたが、これらの変化は背景データの範囲内であった。この用量では軽度の体重増加の抑制及び摂餌量の低下等の母体毒性も認められており、このときのAUCは臨床最大用量投与時(1.8mg/kg)のAUCと比較すると2.6倍(EM)又は0.3倍(PM)であった。なお、これらの所見が認められたのは3試験のうち1試験であり、アトモキセチン投与との関連性及びヒトへの外挿性は不明である。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
871179
ブランドコード
1179050M1040, 1179050M2046, 1179050M3042, 1179050M4049
承認番号
23000AMX00655000, 23000AMX00656000, 23000AMX00657000, 23000AMX00658000
販売開始年月
2018-12, 2018-12, 2018-12, 2018-12
貯法
室温保存、室温保存、室温保存、室温保存
有効期間
3年、3年、3年、3年
規制区分
2, 12, 2, 12, 2, 12, 2, 12

重要な注意事項

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  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
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