薬効分類名全身吸入麻酔剤
一般的名称デスフルラン
スープレン吸入麻酔液
Suprane
製造販売元/製造販売業者(輸入元)
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
アドレナリン製剤
(アドレナリン、ノルアドレナリン等)
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。
本剤麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0~13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された。アドレナリン7.0μg/kgは60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液84mLに相当する。
本剤が心筋のアドレナリンに対する感受性を亢進することが知られている。
中枢神経系抑制剤
(ベンゾジアゼピン系薬剤、オピオイド鎮痛剤等)
本剤の麻酔作用が増強され、血圧低下や心拍数減少等をきたすおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合には、本剤の減量を考慮すること。
相加的に作用を増強させると考えられる。
筋弛緩剤
(パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、スキサメトニウム塩化物水和物等)
筋弛緩剤の作用が増強するので、併用する場合には、筋弛緩剤を減量すること。
本剤は筋弛緩剤の作用を増強する。
4. 効能又は効果
全身麻酔の維持
5. 効能又は効果に関連する注意
本剤は気道刺激性が強いため、全身麻酔の維持にのみ使用し、導入には使用しないこと。[17.1.1 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人には、デスフルランとして3.0%の濃度で開始し、適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、濃度を調節する。通常、成人では、亜酸化窒素の併用の有無にかかわらず、デスフルランとして7.6%以下の濃度で外科的手術に適切な麻酔深度が得られる。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 脳に器質的障害のある患者
脳脊髄液圧を用量依存的に増加させるおそれがある。
-
9.1.2 冠状動脈疾患のある患者
十分な観察を行い、本剤の急激な増量を避けること。心拍数増加や血圧上昇をきたすことがある。
-
9.1.3 心疾患及び心電図異常のある患者
心停止、高度徐脈、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動があらわれるおそれがある。[11.1.3 参照]
-
9.1.4 胆道疾患のある患者
胆道疾患が増悪するおそれがある。
-
9.1.5 筋ジストロフィーのある患者
悪性高熱、重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれるおそれがある。[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
-
9.1.6 スキサメトニウム塩化物水和物の静脈内投与により筋硬直がみられた患者
悪性高熱、重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれるおそれがある。[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
9.3 肝機能障害患者
肝疾患が増悪するおそれがある。
9.5 妊婦
9.7 小児等
9.8 高齢者
生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
アドレナリン製剤 |
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。 |
本剤が心筋のアドレナリンに対する感受性を亢進することが知られている。 |
中枢神経系抑制剤 |
本剤の麻酔作用が増強され、血圧低下や心拍数減少等をきたすおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合には、本剤の減量を考慮すること。 |
相加的に作用を増強させると考えられる。 |
筋弛緩剤 |
筋弛緩剤の作用が増強するので、併用する場合には、筋弛緩剤を減量すること。 |
本剤は筋弛緩剤の作用を増強する。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 悪性高熱(頻度不明):
高炭酸ガス血症の初期症状、筋硬直、頻脈、頻呼吸、チアノーゼ、不整脈及び血圧変動等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を使用中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウム水和物の静脈内投与、全身冷却、純酸素での過換気、酸塩基平衡の是正等適切な処置を行うこと。なお、本症については麻酔後にもみられることがあるので、患者の状態に注意すること。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。[9.1.5 参照],[9.1.6 参照]
-
11.1.2 高カリウム血症(頻度不明):
重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれることがある。特に、筋ジストロフィー(特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー)が潜在する患者やスキサメトニウム塩化物水和物が併用されている場合に発生しやすいので注意すること。[9.1.5 参照],[9.1.6 参照]
-
11.1.3 重篤な不整脈(頻度不明):
心停止、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)等があらわれることがある。[9.1.3 参照]
-
11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明):
筋肉痛、脱力感、CK増加、血中・尿中ミオグロビン増加等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による重篤な高カリウム血症、急性腎障害の発症に注意すること。
-
11.1.5 ショック、アナフィラキシー(頻度不明):
血圧低下等異常があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
-
11.1.6 肝機能障害、黄疸(頻度不明):
肝壊死、肝細胞融解性肝炎、AST、ALT等の著しい増加を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。なお、短期間内に反復投与した場合、その頻度が増すとの報告がある。また、本剤と他のハロゲン化麻酔剤との間に交叉過敏性のあることが報告されている。
-
11.1.7 喉頭痙攣(頻度不明):
喉頭痙攣により換気困難な状況に陥る可能性がある。異常が認められた場合には、持続的気道陽圧、筋弛緩剤の使用等適切な処置を行うこと。特に、ラリンジアルマスク等の声門上器具使用中に喉頭痙攣が出現し、換気困難となった症例が報告されているため、注意すること。
11.2 その他の副作用
10%以上 |
1~10%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
*精神神経系 |
頭痛 |
息こらえ、激越、浮動性めまい、痙攣、せん妄 |
||
消化器 |
悪心、嘔吐 |
流涎過多、急性膵炎、腹痛 |
||
循環器 |
結節性不整脈、心拍数減少、心拍数増加、血圧低下 |
上室性不整脈、完全房室ブロック、脚ブロック、洞性不整脈、洞性頻脈、上室性期外収縮、頻脈、心室性期外収縮 |
悪性高血圧、低血圧、高血圧、血管拡張、心筋梗塞、心筋虚血、不整脈、徐脈、心室不全、心室壁運動低下、心電図異常、心電図ST-T変化、心電図T波逆転 |
|
血液 |
凝血異常、出血、凝固検査異常 |
|||
泌尿器 |
尿糖、尿蛋白陽性 |
|||
皮膚 |
蕁麻疹、紅斑 |
|||
眼 |
結膜炎、黄疸眼 |
|||
肝臓 |
ビリルビン増加 |
γ-GTP増加、AST増加、ALT増加、LDH増加、ALP増加 |
胆汁うっ滞、肝機能異常 |
|
呼吸器 |
咽頭炎、無呼吸、咳嗽、低酸素症、呼吸停止、呼吸不全、呼吸窮迫、気管支痙攣、喀血 |
|||
代謝・栄養 |
低カリウム血症、代謝性アシドーシス |
|||
その他 |
悪寒 |
無力症、筋肉痛、倦怠感、アンモニア増加、CK増加 |
4. 効能又は効果
全身麻酔の維持
5. 効能又は効果に関連する注意
本剤は気道刺激性が強いため、全身麻酔の維持にのみ使用し、導入には使用しないこと。[17.1.1 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人には、デスフルランとして3.0%の濃度で開始し、適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら、濃度を調節する。通常、成人では、亜酸化窒素の併用の有無にかかわらず、デスフルランとして7.6%以下の濃度で外科的手術に適切な麻酔深度が得られる。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 脳に器質的障害のある患者
脳脊髄液圧を用量依存的に増加させるおそれがある。
-
9.1.2 冠状動脈疾患のある患者
十分な観察を行い、本剤の急激な増量を避けること。心拍数増加や血圧上昇をきたすことがある。
-
9.1.3 心疾患及び心電図異常のある患者
心停止、高度徐脈、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室細動があらわれるおそれがある。[11.1.3 参照]
-
9.1.4 胆道疾患のある患者
胆道疾患が増悪するおそれがある。
-
9.1.5 筋ジストロフィーのある患者
悪性高熱、重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれるおそれがある。[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
-
9.1.6 スキサメトニウム塩化物水和物の静脈内投与により筋硬直がみられた患者
悪性高熱、重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれるおそれがある。[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
9.3 肝機能障害患者
肝疾患が増悪するおそれがある。
9.5 妊婦
9.7 小児等
9.8 高齢者
生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
アドレナリン製剤 |
頻脈、不整脈、場合によっては心停止を起こすことがある。 |
本剤が心筋のアドレナリンに対する感受性を亢進することが知られている。 |
中枢神経系抑制剤 |
本剤の麻酔作用が増強され、血圧低下や心拍数減少等をきたすおそれがあるため、これらの薬剤を併用する場合には、本剤の減量を考慮すること。 |
相加的に作用を増強させると考えられる。 |
筋弛緩剤 |
筋弛緩剤の作用が増強するので、併用する場合には、筋弛緩剤を減量すること。 |
本剤は筋弛緩剤の作用を増強する。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 悪性高熱(頻度不明):
高炭酸ガス血症の初期症状、筋硬直、頻脈、頻呼吸、チアノーゼ、不整脈及び血圧変動等を伴う重篤な悪性高熱があらわれることがある。本剤を使用中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに投与を中止し、ダントロレンナトリウム水和物の静脈内投与、全身冷却、純酸素での過換気、酸塩基平衡の是正等適切な処置を行うこと。なお、本症については麻酔後にもみられることがあるので、患者の状態に注意すること。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。[9.1.5 参照],[9.1.6 参照]
-
11.1.2 高カリウム血症(頻度不明):
重篤な不整脈に至る高カリウム血症があらわれることがある。特に、筋ジストロフィー(特にデュシェンヌ型筋ジストロフィー)が潜在する患者やスキサメトニウム塩化物水和物が併用されている場合に発生しやすいので注意すること。[9.1.5 参照],[9.1.6 参照]
-
11.1.3 重篤な不整脈(頻度不明):
心停止、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)等があらわれることがある。[9.1.3 参照]
-
11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明):
筋肉痛、脱力感、CK増加、血中・尿中ミオグロビン増加等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による重篤な高カリウム血症、急性腎障害の発症に注意すること。
-
11.1.5 ショック、アナフィラキシー(頻度不明):
血圧低下等異常があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
-
11.1.6 肝機能障害、黄疸(頻度不明):
肝壊死、肝細胞融解性肝炎、AST、ALT等の著しい増加を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。なお、短期間内に反復投与した場合、その頻度が増すとの報告がある。また、本剤と他のハロゲン化麻酔剤との間に交叉過敏性のあることが報告されている。
-
11.1.7 喉頭痙攣(頻度不明):
喉頭痙攣により換気困難な状況に陥る可能性がある。異常が認められた場合には、持続的気道陽圧、筋弛緩剤の使用等適切な処置を行うこと。特に、ラリンジアルマスク等の声門上器具使用中に喉頭痙攣が出現し、換気困難となった症例が報告されているため、注意すること。
11.2 その他の副作用
10%以上 |
1~10%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
*精神神経系 |
頭痛 |
息こらえ、激越、浮動性めまい、痙攣、せん妄 |
||
消化器 |
悪心、嘔吐 |
流涎過多、急性膵炎、腹痛 |
||
循環器 |
結節性不整脈、心拍数減少、心拍数増加、血圧低下 |
上室性不整脈、完全房室ブロック、脚ブロック、洞性不整脈、洞性頻脈、上室性期外収縮、頻脈、心室性期外収縮 |
悪性高血圧、低血圧、高血圧、血管拡張、心筋梗塞、心筋虚血、不整脈、徐脈、心室不全、心室壁運動低下、心電図異常、心電図ST-T変化、心電図T波逆転 |
|
血液 |
凝血異常、出血、凝固検査異常 |
|||
泌尿器 |
尿糖、尿蛋白陽性 |
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皮膚 |
蕁麻疹、紅斑 |
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眼 |
結膜炎、黄疸眼 |
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肝臓 |
ビリルビン増加 |
γ-GTP増加、AST増加、ALT増加、LDH増加、ALP増加 |
胆汁うっ滞、肝機能異常 |
|
呼吸器 |
咽頭炎、無呼吸、咳嗽、低酸素症、呼吸停止、呼吸不全、呼吸窮迫、気管支痙攣、喀血 |
|||
代謝・栄養 |
低カリウム血症、代謝性アシドーシス |
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その他 |
悪寒 |
無力症、筋肉痛、倦怠感、アンモニア増加、CK増加 |